こんにちは。日本文化ラボ(Nippon Culture Lab)運営者のsamuraiyan(さむらいやん)です。
夏の京都といえば、爽やかな風を感じる季節ですが、同時に半年間の穢れを落とす大切な時期でもありますよね。そろそろ夏越の祓や茅の輪くぐりの季節だな、と感じている方も多いのではないでしょうか。
でも、いざ神社へ行こうとすると、作法はこれで合っているのかな?とか、そもそも京都の神社によってやり方が違うの?といった疑問が湧いてくることもありますよね。私自身、最初は神社ごとのルールの違いに少し戸惑った経験があります。
この記事では、京都の夏越の祓や茅の輪くぐりにおける標準的な作法はもちろん、神社ごとに異なる独自の神事や注意点、2026年の過ごし方までを分かりやすくまとめています。京都の年中行事や暮らしの背景もあわせて知りたい方は、京都のしきたりと風習の記事も参考になります。最後まで読めば、今年の夏越しを心穏やかに迎えるための準備がバッチリ整いますよ。
- 夏越の祓と茅の輪くぐりの正しい基礎知識と由来
- 神社ごとの作法や参拝マナーの違い
- 京都主要神社の2026年開催日程とポイント
- 服装や持ち物など当日の立ち回りのコツ

京都の夏越の祓における茅の輪くぐりの作法
まずは、京都の多くの神社で共通している基本的な考え方や、茅の輪くぐりの作法について見ていきましょう。神社ごとの個別のルールは後ほど解説しますが、基本を押さえておくと当日慌てずに済みますよ。
夏越の祓の意味と由来について
夏越の祓は、毎年6月30日を中心に行われる、いわゆる大祓(おおはらえ)のひとつです。この半年間、私たちが知らず知らずのうちに溜め込んでしまった罪や穢れを祓い落として、残り半年を無病息災で過ごせるように願う神事ですね。大祓の目的や人形、茅の輪の基本については、神社本庁公式サイト「大祓」でも説明されています。
歴史を遡ると、平安時代には既に宮中の行事として定着していたようです。「風そよぐ ならの小川の夕暮れは みそぎぞ夏のしるしなりける」という百人一首の歌も、まさにこの時期の情景を詠んだもの。古くから京都の人々は、この時期になると川辺へ出向いて心身を清めていたのですね。
ただ、制度としての「大祓」と、私たちがよく目にする「茅の輪くぐり」は、もともとは別の成り立ちを持っています。茅の輪くぐりは、素戔嗚尊(すさのおのみこと)と蘇民将来の伝承に由来する疫病除けの民間信仰が合わさったもの。つまり、形式的な神事と、健康を願う切実な民間信仰が融合して、今の豊かな行事になったと言えるでしょう。
茅の輪の左右のくぐり方と手順
茅の輪くぐりの一番のポイントは、やはりその回り方ですよね。多くの神社で推奨されている標準的なスタイルは「八の字」を描くように3回くぐるというものです。

具体的には、まず茅の輪の正面で一礼して、左回り、右回り、最後にまた左回りと進み、正面に戻ってくるという形です。その際、「水無月の夏越の祓する人は千歳の命延ぶというなり」という唱え言葉を心の中で唱えることもありますね。
標準的な作法の手順
1. 茅の輪の正面で一礼する
2. 左回りにくぐり、正面に戻る
3. 右回りにくぐり、正面に戻る
4. 左回りにくぐり、正面に戻る
※神社によっては唱え言葉が案内されているので、現地の掲示をチェックしてみてくださいね。
ただし、これはあくまで「標準的な型」です。京都の神社は非常に個性が強いので、神職の方が先導される場合や、特定の動きが決まっている場合もあります。迷ったときは、神社の掲示物や誘導に従うのが一番安心ですよ。
人形の書き方と息の吹きかけ方
茅の輪くぐりとセットでよく行われるのが「人形(ひとがた)」を使った祓いです。紙でできた人の形のものに名前や年齢を書き、自分の代わりに厄を引き受けてもらうという伝統的な所作ですね。

この人形に息を吹きかける行為には、自分の穢れをこの紙に移すという意味が込められています。一般的には、自分の身体を人形でお祓いするように撫でてから、三度息を吹きかけるというパターンが多いですが、神社によってその手順や納め方はさまざま。
人形流しができる神社もあれば、境内の箱に納める神社、忌火で焼納してくれる神社など、その「終わり方」には個性が表れます。自分自身の穢れを託す儀式ですので、焦らず丁寧に向き合ってみると、より一層心がスッキリするような気がしますよ。
服装の決まりや写真撮影マナー
夏越の祓に行くときの服装ですが、特に「これを着なければいけない」という厳しい決まりがあるわけではありません。ただ、神様にお会いする場であることを考えると、あまりにもラフすぎる格好は避けたほうが無難ですね。
清潔感のある服装で、露出は控えめに。帽子や日傘は、参拝や神事に参加する際には邪魔にならないよう配慮が必要です。夏場なので暑いですが、心持ちとしては「少しきちんとしたお出かけ着」くらいがちょうどいいかなと思います。
また、写真撮影についても注意が必要です。神事の最中にバシャバシャと撮影するのは控えましょう。特に神職さんや他の方の参拝の妨げにならないよう、あくまで自分たちの記憶に留めるくらいの気持ちでいるのがスマートです。商用撮影やドローンの使用が禁止されている社も多いので、現地の看板を必ず確認してくださいね。
参拝の事前予約と初穂料の有無
最近は参列自由な神社ばかりではなく、貴船神社のように事前の受付が必要だったり、初穂料(お祓い料)が必要なケースもあります。
参拝前のチェックリスト
・その行事は予約が必要か?
・参加費(初穂料)は必要か?
・当日受付のみか、事前申込か?
これらは神社や年によってルールが変わることがあります。必ず参拝数日前に公式サイトを確認するようにしてくださいね。
特に由緒ある神社の特別な儀式に参加したい場合は、公式サイトで「事前告知」をチェックすることが欠かせません。「知らなかった」とならないよう、事前の準備は怠らないようにしましょう。最終的な参拝ルールは、各神社の最新情報を優先してくださいね。
作法が違う京都の夏越の祓と茅の輪くぐり
京都の夏越の祓が面白いのは、本当に「神社によって全然違う」というところです。定番の6月30日だけを見ていたら、実はもっと奥深い行事を見逃しているかもしれません。
上賀茂神社や下鴨神社の違い
世界遺産の両社は、それぞれ独自の夏越神事を持っています。上賀茂神社は、朝の夏越神事と夜の夏越大祓式の二部構成。特に夜のならの小川への人形流しは、幽玄でとても美しい光景です。

一方で下鴨神社は、公式行事として「立秋の前夜」に設定されています。御手洗池(みたらしけ)で行われる矢取り神事などは、6月30日とは一味違う、独特の京都の風情を感じさせてくれますね。
八坂神社や平安神宮などの違い
八坂神社は、疫神社での7月31日の夏越祭が非常に有名です。これは祇園祭の締めくくりの神事でもあり、蘇民将来信仰が色濃く残っているのが特徴。6月30日だけでなく、こうした時期のズレを理解しておくと、京都の文化の深さに感動しますよ。
平安神宮は、応天門に設置される大きな茅の輪が目を引きます。観光の拠点としても行きやすい場所なので、まずはここから夏越の雰囲気に触れてみるのも良いでしょう。
開催日程と神社ごとの例外日時
「京都の夏越は6月30日」というのはあくまでひとつの目安です。北野天満宮は6月25日に夏越天神として大きな茅の輪を設置しますし、松尾大社や城南宮なども独自のスケジュールで動いています。京都市内の主な日程は、京都市公式 京都観光Navi「2026年京都市内の夏越の祓・茅の輪くぐり 一覧」でも確認できます。
2026年現在は、各神社とも詳細な告知が直前になることもあります。「行こうと思ったら終わっていた」という悲しい事態を避けるためにも、お目当ての神社の公式サイトにある「年中行事」や「お知らせ」ページは、6月に入ったら小まめにチェックしてくださいね。
水無月を食べる意味や蘇民将来
夏越の祓といえば、京都では「水無月(みなづき)」という和菓子を食べる習慣があります。三角形のういろうの上に小豆が乗っているあのお菓子ですね。三角形は氷を模していて、小豆は厄除けの意味があります。京都の季節の甘味について詳しく知りたい方は、京都の和菓子ガイドもあわせて読むと理解が深まります。

蘇民将来伝承については、八坂神社の疫神社で詳しく触れることができます。「蘇民将来と書かれた護符を門に貼ると疫病を免れる」というお話は、今の時代でも大切な心の拠り所になりますよね。食文化と信仰がセットになっているのが京都らしいなと思います。
茅の輪守や限定の御朱印について
参拝の記念として、この時期限定の茅の輪守や御朱印を授与される神社も多いです。茅の輪守は玄関などに飾っておくと、半年間の厄除けになってくれます。
ただ、こうした限定品も「いつ行ってもある」とは限りません。数に限りがある場合や、神事の当日限定ということもあります。あくまで縁のものと考えて、いただけたらラッキーくらいの気持ちで楽しむのが大人な参拝スタイルですね。
京都の夏越の祓と茅の輪くぐりの作法まとめ
ここまで見てきたように、京都の夏越の祓や茅の輪くぐり作法には、ひとことで言い表せないほどの多様性があります。
まずは「自分の気になる神社はいつ、どんな行事をするのか」を事前に公式サイトで確認すること。そして、現地では神職さんの指示や掲示を尊重し、穏やかな気持ちで神様に向き合うこと。この二つさえ守れば、きっと素晴らしい体験ができるはずです。
半年間の穢れを落として、また新しい気持ちで残り半年を過ごす。そんな京都ならではの素敵な習慣を、ぜひ皆さんも楽しんでみてくださいね。最新の情報は各神社の公式発表をご確認の上、安全な参拝を楽しんでください。
