こんにちは。日本文化ラボ(Nippon Culture Lab)運営者の「samuraiyan(さむらいやん)」です。
京都で「その場所に行かなければ味わえないもの」を探すなら、今宮神社の東門前にある一文字屋和輔の「あぶり餅」は、ぜひ知っておきたい門前菓子です。
一文字屋和輔は、通称「一和(いちわ)」。
京都市の資料では、長保2年(1000年)創業と紹介されています。
今宮神社の東門を出た石畳の参道北側に店を構え、現在も小さな餅を竹串に刺し、炭火であぶり、白味噌だれを付ける「あぶり餅」を提供しています。
しかも、京都府観光連盟によると、一和だけでなく向かいの「かざりや」も、基本的に販売するのはあぶり餅のみです。
京都には、時代に合わせて新商品や新ブランドを生み出す老舗もあります。
一方、一文字屋和輔の特徴は、今宮神社の門前という場所、あぶり餅という一品、炭火で焼く製法、そして参道の茶店という商いを長い年月にわたって継承していることにあります。
一文字屋和輔を理解するうえで大切なのは、「1000年続く古い店」という数字だけではありません。
京都市は、一文字屋和輔の建物について、古いものは約400年前と伝わるとし、今宮神社東門へ続く参詣道の景観形成に重要な建造物として評価しています。
つまり一和では、あぶり餅だけでなく、神社・参道・建物・炭火・茶店という文化そのものが現在まで続いているのです。
この記事では、一文字屋和輔の歴史、今宮神社との関係、あぶり餅の特徴、2026年の値段、かざりやとの違い、持ち帰り、営業時間、定休日、アクセス、駐車場、混雑時の考え方、そして約1000年続く老舗文化まで詳しく解説します。
- 一文字屋和輔と「一和」が同じ店であること
- 長保2年(1000年)創業とされる歴史
- 今宮神社の疫病鎮めの信仰と門前菓子の関係
- あぶり餅の作り方と味の特徴
- 2026年の1人前の値段
- 一和とかざりやの違い
- 持ち帰りと賞味期限の注意点
- 営業時間・定休日・アクセス・駐車場
- 景観重要建造物として残る一和の建物
- 「あぶり餅一品を守る」老舗文化
- 一文字屋和輔とは?今宮神社門前で1000年続く「あぶり餅」の老舗
- 一文字屋和輔は長保2年(1000年)創業とされる
- 今宮神社の疫病鎮めの信仰とあぶり餅
- 一文字屋和輔の建物は景観重要建造物
- 一文字屋和輔のあぶり餅とは?炭火・きな粉・白味噌の門前菓子
- 2026年の値段は1人前600円
- 初めてなら出来立てを店で味わいたい
- 持ち帰りできる?賞味期限は当日と考える
- 一文字屋和輔とかざりやの違い
- 営業時間・定休日・アクセス・駐車場
- 駐車場はタイムパーキング1時間無料サービスあり
- 混雑を避けるなら「決め打ちの時間」より余裕を持つ
- 予約できる?基本は当日の利用を想定する
- 補助犬は同行可|一般のペットは現地確認を
- 今宮神社を参拝してからあぶり餅を味わう
- 北野天満宮の澤屋と比較すると「門前菓子」がよくわかる
- 一文字屋和輔の企業文化|「あぶり餅だけ」ではなく参道文化を守る
- よくある質問
- まとめ|一文字屋和輔は「あぶり餅と参道文化」を約1000年つなぐ老舗
一文字屋和輔とは?今宮神社門前で1000年続く「あぶり餅」の老舗

一文字屋和輔は、京都市北区紫野今宮町にあるあぶり餅の茶店です。
読み方は「いちもんじやわすけ」。
一般には「一和(いちわ)」という呼び方でも親しまれています。
場所は今宮神社の東門前。
石畳の参道北側に一和、南側に「かざりや」が向かい合っています。
京都府観光連盟では、両店ともに「あぶり餅のみを販売」と紹介されています。
さまざまな甘味や食事を揃える観光向けカフェとは、まったく性格が違います。
一和を訪れる目的は明確です。
今宮神社の門前で、炭火で焼いたあぶり餅を味わうこと。
この一品を中心とする商いが、一和の大きな特徴です。
京都の和菓子文化全体については、京都の和菓子とは?歴史・季節・老舗・甘味処をわかりやすく解説でも詳しく紹介しています。
一文字屋和輔は長保2年(1000年)創業とされる
京都市の「京都を彩る建物や庭園」では、一文字屋和輔について、
長保2年(1000年)創業
と紹介されています。
西暦1000年といえば平安時代。
現在から1000年以上前です。
ただし、「1000年間すべてが現在とまったく同じ姿だった」という意味ではありません。
店の建物、社会環境、参詣の方法、材料の流通などは時代によって変わってきたはずです。
重要なのは、今宮神社の門前で「あぶり餅の店」として商いを継承してきた歴史そのものです。
- 京都市資料では1000年創業
- 今宮神社東門前という立地
- 現在もあぶり餅を中心に営業
- 古い建物は約400年前と伝わる
- 参詣道の景観と一体になっている
今宮神社の疫病鎮めの信仰とあぶり餅
一文字屋和輔の歴史を考えるとき、切り離せないのが今宮神社です。
京都市公式「京都観光Navi」によると、今宮神社の起源は994年。
都で流行した疫病を鎮めるために疫神を祀り、紫野御霊会を営んだことが始まりとされています。
1001年には現在地に三柱の神を祀る神殿が造営され、現在まで疫病鎮めや無病息災への信仰を集めてきました。
毎年4月第2日曜日に行われる「やすらい祭」も、疫病を鎮める「花鎮め」の祭として受け継がれています。
あぶり餅も門前の信仰文化とともに伝わった
あぶり餅については、神社へ供えられた餅や、奉納された竹の斎串と結びついて広まったという伝承があります。
京都産業大学が今宮神社と門前のあぶり餅店を取材した記事でも、疫神へ供えた餅などを背景として、参詣客にご利益のあるものとして伝わったと紹介されています。
そのため、あぶり餅は単なる「京都の甘い餅」としてではなく、今宮神社の疫病鎮めの信仰とともに親しまれてきた門前菓子として捉えると、その文化的な意味がわかりやすくなります。
ただし、「一皿食べれば必ず厄除けになる」といった意味ではありません。
神社への信仰と門前の食文化が長い時間をかけて重なり、現在の「あぶり餅」という名物につながっている、と考えるのが自然です。
一文字屋和輔の建物は景観重要建造物

一文字屋和輔の価値は、あぶり餅だけではありません。
建物も京都の歴史的景観を構成する重要な存在です。
京都市の「京都を彩る建物や庭園」では、一文字屋和輔は認定第1号。
さらに景観重要建造物でもあります。
京都市によると、建物は古いもので約400年前と伝えられています。
通りに面して複数の棟が並び、開店時に開放される板戸や、2階の手すり付き開口部などが門前茶屋らしい外観を形づくっています。
京都市は、
「今宮神社東門へと続く参詣道の通り景観の形成に重要な建造物」
と評価しています。
つまり一和では、「古い建物の中で甘味を食べる」のではありません。
建物自体が今宮神社の参詣文化を形づくる一部なのです。
一文字屋和輔のあぶり餅とは?炭火・きな粉・白味噌の門前菓子

あぶり餅の作り方は、一見すると非常にシンプルです。
京都府観光連盟では、
- 小さく切った餅を竹串に刺す
- 炭火であぶる
- 白味噌だれを付ける
という菓子として紹介されています。
さらに、あぶり餅では餅米の炊き方、竹串の作り方、あぶり方、白味噌だれなど、それぞれの店が長い歴史の中で味を守ってきたと説明されています。
きな粉をまぶした小さな餅を炭火で焼く
あぶり餅は、親指ほどの小さな餅にきな粉をまぶし、細い竹串に刺して炭火で焼きます。
大きな団子を一本食べるのではなく、小さな餅を一口ずつ味わうようなスタイルです。
炭火で焼くことで表面に香ばしさが生まれ、やわらかな餅との食感の違いも楽しめます。
仕上げは京都らしい白味噌だれ
焼き上げた餅には、白味噌をベースにした甘いたれを絡めます。
炭火の香ばしさ、きな粉、餅、白味噌の甘みが重なることで、あぶり餅独特の味になります。
華やかな装飾のある上生菓子とはまったく違います。
素材も見た目も素朴です。
しかし、この素朴な一皿が1000年以上続く店の看板商品になっているところに、一和の面白さがあります。
2026年の値段は1人前600円
2026年9月時点で、京都府観光連盟が掲載している一文字屋和輔の料金は、
あぶり餅 1人前600円
です。
一皿の具体的な本数については、時期によって掲載情報が異なるため、本記事では固定していません。
「11本」「13本」など過去の紹介がありますが、提供内容が変わる可能性があるためです。
| 商品 | あぶり餅 |
| 2026年9月の確認価格 | 1人前600円 |
| 作り方 | 竹串に刺した小さな餅を炭火であぶり、白味噌だれで仕上げる |
| 場所 | 今宮神社東門前参道北側 |
価格や一皿の内容は変更される可能性があります。訪問時には店頭の最新案内を優先してください。
初めてなら出来立てを店で味わいたい
一文字屋和輔を初めて訪れるなら、まずは現地で出来立てを味わうのがおすすめです。
あぶり餅は注文後に焼いて仕上げるため、炭火の香りや餅のやわらかさ、白味噌だれの風味を感じやすいのは出来立てです。
さらに、一和の場合は食べ物だけでなく、
- 今宮神社東門前の石畳
- 炭火から立つ香り
- 歴史ある建物
- 門前茶屋の座敷や床几
- 神社参拝の前後という時間
までが体験の一部になります。
包装された京都土産をホテルや自宅で食べるのとは違い、「その土地で食べること」に大きな意味がある菓子です。
- 炭火で焼いた出来立てを味わえる
- 今宮神社の参道で食べられる
- 歴史ある建物そのものを体験できる
- 京都の門前茶屋文化に触れられる
- 向かいのかざりやとの違いも楽しめる
持ち帰りできる?賞味期限は当日と考える
一文字屋和輔のあぶり餅は、過去の現地取材で持ち帰りにも対応していることが紹介されています。
ただし、現在の京都府観光連盟の一和店舗ページには、持ち帰りの最小数量や現在の包装単位までは掲載されていません。
そのため、
「必ず3人前から」などと固定して考えず、訪問時に店頭で確認する
のが安全です。
持ち帰るならその日のうちに
京都産業大学による現地取材では、あぶり餅はテイクアウト可能で、賞味期限は当日と紹介されています。
餅は時間が経つと食感が変わり、炭火で焼いた香りも出来立てとは異なってきます。
そのため持ち帰る場合も、
- その日のうちに自宅で食べる
- 京都の宿で当日食べる
- 近くの家族・知人へ当日渡す
といった用途に向いています。
数日後に職場で配るお土産としては、別の和菓子を選んだ方がよいでしょう。
- 当日中に食べる
- 現在の販売単位は店頭で確認する
- 翌日以降に渡す手土産には向かない
- 長時間の高温状態を避ける
- 大量購入したい場合は店舗へ確認する
日持ちを重視する京都土産なら、阿闍梨餅本舗 満月とは?日持ち・店舗・買い方と4種類に絞る老舗文化や、亀屋良長とは?烏羽玉・スライスようかんと伝統を革新する企業文化も参考になります。
一文字屋和輔とかざりやの違い

今宮神社であぶり餅を食べようとすると、多くの人が迷うのが、
「一和とかざりや、どちらに入ればいい?」
という問題です。
今宮神社の東門を出ると、
- 北側:一和(一文字屋和輔)
- 南側:かざりや
が向かい合っています。
京都府観光連盟によると、両店ともあぶり餅のみを販売し、2026年9月時点では1人前600円です。
一和は長保2年(1000年)創業
歴史の違いで見ると、一和は京都市資料で長保2年(1000年)創業。
現在の建物も古い部分は約400年前と伝えられています。
一和は、長い歴史や景観重要建造物となっている建物そのものに興味がある人に特に向いています。
かざりやは江戸時代創業
向かいのかざりやは、京都市資料で江戸時代創業と紹介されています。
こちらも長い歴史を持つあぶり餅の老舗です。
京都市公式では、かざりやについて代々女性が味を受け継ぎ、長い年月にわたって変わらない素朴な味を伝えてきた店として紹介されています。
庭には水琴窟もあります。
| 比較 | 一和 | かざりや |
|---|---|---|
| 正式名 | 一文字屋和輔 | 本家・根元 かざりや |
| 場所 | 参道北側 | 参道南側 |
| 創業 | 長保2年(1000年) | 江戸時代 |
| 2026年の価格 | 1人前600円 | 1人前600円 |
| 特徴 | 約1000年の歴史、景観重要建造物、古い建物は約400年前と伝わる | 代々受け継ぐ味、歴史的な茶店、水琴窟のある庭 |
味の優劣ではなく「二軒が向かい合う文化」を楽しむ
一和とかざりやについて、「どちらがおいしいか」と順位を付ける必要はありません。
餅米の扱い、竹串、焼き方、白味噌だれなど、それぞれの店に受け継がれてきた味があります。
時間とお腹に余裕があれば両店を訪れ、自分で違いを感じてみるのも今宮神社ならではの楽しみ方です。
二軒の老舗が参道の両側で同じ「あぶり餅」を守ってきたこと自体が、今宮神社の門前文化を形づくっています。
営業時間・定休日・アクセス・駐車場
2026年9月時点で京都府観光連盟が掲載している、一文字屋和輔の基本情報は次のとおりです。
| 店名 | 一和(一文字屋和輔) |
| 住所 | 〒603-8243 京都府京都市北区紫野今宮町69 |
| 電話 | 075-492-6852 |
| 営業時間 | 10:00~17:00 |
| 定休日 | 水曜日 |
| 水曜が1日・15日・祝日の場合 | 営業し、翌日休業 |
| 年末休業 | 12月16日~31日 |
| 料金 | 1人前600円 |
| 市バス | 「今宮神社前」徒歩約1分/「船岡山」徒歩約5分 |
| 駐車場 | タイムパーキングあり・1時間無料サービス |
| 車椅子 | 利用可・要事前連絡 |
| 補助犬 | 同行可。ただし室内不可 |
通常は水曜定休ですが、水曜日が毎月1日・15日・祝日に当たる場合は営業し、翌日が休みになります。また、年末は12月16日~31日の休業が案内されています。遠方から訪れる場合は日付を確認してください。
駐車場はタイムパーキング1時間無料サービスあり
車で訪れる人にとって気になるのが駐車場です。
京都府観光連盟では、一文字屋和輔について、
「タイムパーキング有り、1時間無料サービス」
と案内しています。
ただし、無料サービスの受け方や対象となる駐車場の運用は変更される可能性があります。
実際に車で訪れた際は、駐車券や現地表示を確認し、店でも確認してください。
今宮神社の行事日や観光シーズンは周辺が混雑する可能性があるため、公共交通機関も選択肢です。
混雑を避けるなら「決め打ちの時間」より余裕を持つ
一文字屋和輔は観光客だけでなく、地域の人にも親しまれている店です。
特に土日祝や今宮神社の行事日には、普段より利用者が増える可能性があります。
ただし、公式な時間帯別混雑データはありません。
そのため、
「10時なら絶対に空いている」
「14時から15時が必ず混む」
といった形では断定できません。
確実に利用したい場合は、旅程に時間的な余裕を持たせることが大切です。
やすらい祭など行事日は余裕を持つ
今宮神社では、毎年4月第2日曜日に「やすらい祭」が行われます。
2026年は4月12日に開催されました。
疫病を鎮め、無病息災を願う京都の三奇祭の一つで、一和のあぶり餅が育ってきた背景を考えるうえでも興味深い祭です。
一方、行事日は通常の観光日より人出が増えることが考えられます。
行事とあぶり餅を一緒に楽しむなら、待ち時間も含めて予定を組みましょう。
予約できる?基本は当日の利用を想定する
2026年9月時点の京都府観光連盟の一和店舗情報には、席予約について明確な記載がありません。
したがって、通常のレストランのように席予約を前提として予定を立てるより、当日現地で利用する茶店と考えておく方がよいでしょう。
団体利用、車椅子利用、大量の持ち帰りなど、通常とは異なる利用を希望する場合は、店舗へ事前に問い合わせるのが確実です。
なお、向かいのかざりやについては、京都市公式ページで団体などの予約を受ける場合があると案内されています。
一和とかざりやでは運用が同じとは限らないため、混同しないよう注意してください。
補助犬は同行可|一般のペットは現地確認を
京都府観光連盟の一和店舗情報では、
補助犬同行可、ただし室内は不可
とされています。
一般のペットについては、現在の公式掲載情報では明確なルールを確認できません。
そのため、「犬連れなら必ず外席を利用できる」と断定せず、ペットと一緒に訪れる場合は現地または事前に確認してください。
今宮神社を参拝してからあぶり餅を味わう

一文字屋和輔だけを目的に訪れることもできますが、せっかくなら今宮神社の参拝と組み合わせたいところです。
今宮神社は、994年の紫野御霊会を起源とする疫病鎮めの信仰を持つ神社です。
現在も、疫病鎮めの「やすらい祭」や、境内の疫神社などにその歴史を見ることができます。
境内を参拝した後、東門を出ると、石畳の参道に一和とかざりやが向かい合っています。
この動線そのものが、京都らしい門前文化です。
- 今宮神社を参拝する
- 疫神社など境内の歴史に触れる
- 東門から石畳の参道へ出る
- 北側の一文字屋和輔へ
- 出来立てのあぶり餅を味わう
- 時間があれば向かいのかざりやも見る
北野天満宮の澤屋と比較すると「門前菓子」がよくわかる
京都の門前菓子をさらに知りたいなら、北野天満宮前の「粟餅所・澤屋」と比較すると面白くなります。
澤屋は1682年創業。
現在13代目で、北野で粟餅一筋の商いを続けています。
一和も澤屋も、寺社の門前という場所と一つの餅菓子を長く守ってきた点では共通しています。
しかし、菓子も歴史も場所も異なります。
| 比較 | 一文字屋和輔 | 粟餅所・澤屋 |
|---|---|---|
| 門前 | 今宮神社 | 北野天満宮 |
| 創業 | 長保2年(1000年) | 1682年 |
| 代表菓子 | あぶり餅 | 粟餅 |
| 仕上げ | 炭火で焼き白味噌だれ | こしあん・きな粉 |
| 文化的特徴 | 今宮神社の参詣道・建物・炭火の茶店文化 | 北野の粟餅文化・搗きたて・当日限り |
詳しくは、粟餅所・澤屋とは?北野天満宮の門前で340年続く粟餅一筋の老舗文化をご覧ください。
一文字屋和輔の企業文化|「あぶり餅だけ」ではなく参道文化を守る
企業文化カテゴリーの記事として一文字屋和輔を見ると、他の京都老舗とは違う特徴があります。
亀屋良長は、伝統を土台に新しい商品やブランドへ広げています。
阿闍梨餅本舗 満月は、商品を4種類に絞ることで品質を集中させています。
今西軒は、一度途絶えた家業を復活させ、味とブランドを次世代へつないでいます。
粟餅所・澤屋は、北野で粟餅一筋の商いを13代継承しています。
それに対して一文字屋和輔の特徴は、
「今宮神社の参詣道で、あぶり餅という一品と茶店の空間を約1000年にわたり継承してきたこと」
です。
商品を増やさない
京都府観光連盟は、一和とかざりやについて、どちらも「あぶり餅のみを販売」と紹介しています。
1000年以上の歴史を持つ店だからといって、銘菓を何十種類も展開しているわけではありません。
中心は、あぶり餅です。
作り方の細部を守る
京都府観光連盟が「あぶり餅」を紹介するときに挙げているのは、単なる原材料だけではありません。
- 餅米の炊き方
- 竹串の作り方
- 炭火でのあぶり方
- 白味噌だれ
といった工程です。
一皿のあぶり餅は、こうした細かな技術の積み重ねで成り立っています。
建物と参道を残す
さらに一和の場合、商いの場所も重要です。
古い部分は約400年前と伝わる建物を使い続け、その外観は今宮神社東門へ続く参詣道の景観を形成しています。
仮に同じ味のあぶり餅を別の場所で提供したとしても、現在の一和と同じ文化体験にはなりません。
「どこで作り、どこで食べるか」までが商品価値の一部だからです。
便利さより現地体験を残す
現代では、多くの和菓子をオンラインで全国から購入できます。
しかし一文字屋和輔の魅力は、今宮神社へ行き、東門を出て、石畳を歩き、炭火の香りの中であぶり餅を食べることにあります。
便利さだけでは置き換えられない「現地性」が、約1000年続く商いの強みになっています。
| 京都の老舗 | 企業文化・伝統の続け方 |
|---|---|
| 一文字屋和輔 | 今宮神社門前で、あぶり餅・建物・参詣道の茶店文化を継承 |
| 粟餅所・澤屋 | 北野で粟餅一筋。搗きたて・当日限りの商いを13代継承 |
| 亀屋良長 | 伝統技術を土台に、新商品・新ブランドへ積極的に広げる |
| 阿闍梨餅本舗 満月 | 商品を4種類に絞り、品質へ集中する |
| 今西軒 | 一度途絶えた家業を再興し、味とブランドを次代へ継承 |
京都の和菓子全体については、京都の和菓子とは?歴史・季節・老舗・甘味処をわかりやすく解説も参考にしてください。
よくある質問
一文字屋和輔の読み方は?
「いちもんじやわすけ」と読みます。通称は「一和(いちわ)」です。
一文字屋和輔はいつ創業しましたか?
京都市の資料では、長保2年(1000年)創業と紹介されています。
一文字屋和輔のあぶり餅はいくらですか?
2026年9月時点の京都府観光連盟掲載価格は、1人前600円です。今後変更される場合があります。
あぶり餅は何本入っていますか?
過去の紹介では本数に違いがあり、現在の京都府観光連盟ページでは本数を掲載していません。そのため、現在の提供本数は店頭で確認するのが確実です。
一文字屋和輔のあぶり餅は持ち帰りできますか?
過去の現地取材では持ち帰り可能と紹介されています。ただし、現在の販売単位などは店頭で確認してください。
賞味期限はどれくらいですか?
現地取材情報では当日とされています。持ち帰る場合も、その日のうちに食べるのがおすすめです。
一文字屋和輔とかざりやはどちらがおすすめですか?
どちらも今宮神社を代表するあぶり餅店です。一和は長保2年(1000年)創業とされる歴史や景観重要建造物の建物に特徴があります。かざりやも江戸時代から続く老舗です。時間があれば、両店を訪れて違いを楽しむ方法もあります。
一文字屋和輔の営業時間は?
2026年9月時点では10:00~17:00です。
定休日はいつですか?
水曜日です。ただし水曜日が1日・15日・祝日の場合は営業し、翌日が休みになります。年末は12月16日~31日の休業が案内されています。
アクセスは?
市バス「今宮神社前」から徒歩約1分、「船岡山」から徒歩約5分です。今宮神社東門前参道の北側にあります。
駐車場はありますか?
京都府観光連盟では、タイムパーキングがあり、1時間無料サービスがあると案内されています。利用方法は現地で確認してください。
犬と一緒に利用できますか?
補助犬は同行可能ですが、室内不可と公式観光情報に掲載されています。一般のペットについては明確な公式情報を確認できないため、店舗へ確認してください。
一文字屋和輔の建物は文化財ですか?
京都市の「京都を彩る建物や庭園」認定第1号で、景観重要建造物です。古い部分は約400年前と伝わり、今宮神社東門へ続く参詣道の景観形成に重要な建造物と評価されています。
まとめ|一文字屋和輔は「あぶり餅と参道文化」を約1000年つなぐ老舗
一文字屋和輔は、今宮神社東門前にあるあぶり餅の老舗です。
京都市資料では、創業は長保2年、1000年。
現在も、今宮神社東門から続く石畳の参道北側で営業しています。
看板商品は、あぶり餅。
小さな餅を竹串に刺し、炭火で焼き、白味噌だれで仕上げます。
2026年9月時点の価格は1人前600円。
営業時間は10:00~17:00です。
しかし、一和の本当の価値は「1000年続く店で600円の餅を食べられる」ということだけではありません。
今宮神社は994年の紫野御霊会を起源とする、疫病鎮めの信仰を持つ神社です。
その東門前で門前菓子としてあぶり餅が育ち、一和は長い年月にわたり、その商いを続けてきました。
さらに一和では、商品だけでなく建物も残っています。
古い部分は約400年前と伝わり、現在は景観重要建造物。
京都市からは、今宮神社東門へと続く参詣道の景観を形成する重要な建造物として評価されています。
つまり一文字屋和輔が受け継いできたものは、あぶり餅のレシピだけではありません。
竹串、炭火、白味噌だれ、店の建物、今宮神社の参道、そこで一服する人々の時間まで含めた「門前茶屋の文化」です。
新商品を増やすことで続く老舗もあれば、一つの商品と一つの場所を大切にすることで続く老舗もあります。
一文字屋和輔は、後者を象徴する存在です。
「何を新しくするか」ではなく、「何を残し続けるか」。
その選択を積み重ねた結果、現在も今宮神社の東門を出れば、炭火の香りとともにあぶり餅を味わうことができます。
京都で一和を訪れるなら、あぶり餅だけを写真に撮って終わるのではなく、ぜひ参道や建物にも目を向けてみてください。
一皿の向こうに、1000年以上続いてきた京都の信仰と門前文化が見えてきます。
- 「一文字屋和輔」と「一和」は同じ店
- 京都市資料では1000年創業
- 今宮神社東門前参道の北側
- 2026年9月時点で1人前600円
- 営業時間は10:00~17:00
- 基本は水曜定休
- 水曜が1日・15日・祝日なら翌日休
- 年末は12月16日~31日休業
- 持ち帰り条件は現在の店頭情報を確認
- 持ち帰る場合は当日中に食べる
- 駐車場はタイムパーキング1時間無料サービスあり
- 建物は景観重要建造物
- 向かいのかざりやもあぶり餅の老舗
営業時間、定休日、価格、持ち帰り条件、駐車場サービス、決済方法などは変更される場合があります。特に遠方から訪れる場合や今宮神社の行事日は、最新の観光情報または店舗への電話確認をおすすめします。
この記事は2026年9月1日時点で確認できる京都府観光連盟、京都市「京都を彩る建物や庭園」、京都市公式「京都観光Navi」、今宮神社に関する公的観光情報などをもとに更新しています。

