京都の老舗、出町ふたばの豆餅が愛される理由と歴史

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京都の街を歩いていると、ふと行列に出くわすことがあります。
その先にあるのが、京都の老舗として名高い出町ふたばです。

地元の人から観光客まで、これほどまでに人々を惹きつける豆餅の魅力は一体どこにあるのでしょうか。
歴史や素材のこだわりを知ると、その一口がもっと味わい深くなりますよ。

こんにちは。日本文化ラボ(Nippon Culture Lab)、運営者の「samuraiyan(さむらいやん)」です。
京都を訪れるなら絶対に外せないと言われる「名代豆餅」。

でも、なぜそこまで人気なのか、どうすれば行列を避けて買えるのか気になりますよね。
この記事では、そんなあなたの疑問を丸ごと解決できるよう、歴史から最新の購入戦略まで詳しくお伝えします。

  • 出町ふたばが守り続ける伝統と素材選びの科学的なこだわり
  • 名代豆餅の独特な食感を生み出す職人技と製造の舞台裏
  • 本店での行列を回避するための電話予約や早朝訪問の秘策
  • 百貨店や京都駅での委託販売スケジュールと賢い入手ルート
  • 将棋・王将戦でも話題!京都に広がる「ふたば」暖簾分けの系譜

創業から続くこだわりと羽二重もち米の秘密

伝統的な和菓子店で、職人が最高級の滋賀県産羽二重もち米を蒸し、臼と杵で丁寧に二度づきして、コシのある真っ白なお餅を作る工程。

出町ふたばの歴史は明治32年(1899年)にまで遡ります。創業者が石川県の加賀地方から京都へ移り住み、店を構えたのが始まりだそうです。加賀といえば米どころとして有名ですが、その土地の餅作りの技術が京都の洗練された文化と出会ったことで、あの唯一無二の食感が生まれたんですね。もともと加賀藩の前田家は茶の湯の文化を推奨していたこともあり、石川県は和菓子や餅の扱いにおいて非常に高いレベルの技術を持っていました。その職人のDNAが京都の出町という場所で結実したのです。

最高級品種「羽二重もち米」へのこだわり

土台となるお餅に使われているのは、滋賀県産の「羽二重もち米」という最高級の品種。きめ細やかで粘りが強く、それでいて上品な甘みがあるのが特徴です。出町ふたばでは、特に「新米」を使用することにこだわっており、鮮度の高いお米が持つ瑞々しい風味を活かしています。お餅の品質を左右するアミロースとアミロペクチンのバランスが、羽二重もち米は非常に優れていると言われています。

食感の命「二度づき」のプロセス

出町ふたばでは、蒸し上げたもち米を機械で二度に分けてつく「二度づき」という工程を大切にしています。これによって、ただ柔らかいだけではない、しっかりとしたコシと、噛むほどに米の旨みが広がる独特のテクスチャーが実現されているんです。一度目のつきで米の粒をしっかりと潰し、二度目のつきで空気を含ませながら組織を緻密に整えることで、時間が経っても独特の弾力が維持されます。この手間暇こそが、スーパーで売られている大福とは決定的に違う「餅の密度」を生み出しているんですね。まさに「餅屋」としての誇りが詰まったベースと言えるでしょう。

北海道産赤えんどう豆と塩気が生む絶妙な調和

京都の和菓子店で、蒸し上がったばかりの大粒で艶やかな北海道産赤えんどう豆が、真っ白なお餅に混ぜ込まれていく様子。

名代豆餅の表面にゴロゴロと顔を出している大粒の豆。これは北海道の美瑛や富良野といった名産地の契約農家から仕入れた「赤えんどう豆」です。この豆が、実は味の決め手と言っても過言ではありません。北海道は昼夜の寒暖差が激しいため、豆の甘みが強く、皮もしっかりとした高品質な赤えんどう豆が育ちます。出町ふたばでは、その中でも特に粒が大きく、形の良いものだけを厳選して使用しています。

対比効果を狙った絶妙な塩加減

豆は丁寧に洗われた後、じっくりと蒸し上げられ、少し強めの塩味がつけられています。この「しっかりとした塩気」が、お餅の甘みや中のあんこの糖度をぐっと引き立てるんです。いわゆるスイカに塩をかけるような「対比効果」ですね。もしこの豆が甘かったら、全体がぼやけた味になってしまうはずです。この塩気がアクセントになることで、最後まで飽きずに食べられる「止まらない美味しさ」が完成します。

ホクホクとした食感のダイナミズム

大粒でホクホクとした豆の食感と、お餅の柔らかさが口の中で混ざり合う瞬間は、まさに至福のひとときです。ふたばの豆は、外皮が口に残ることなく、噛んだ瞬間に中身がほどけるような絶妙な茹で加減になっています。東京の豆大福に使われる豆と比較すると、ふたばの豆は存在感が際立っており、お餅の中に埋もれない力強さがあります。この豆の食感と塩味があるからこそ、甘いものが苦手な男性ファンも多いのかなと思います。

滑らかなこしあんと京都の豊かな水の役割

京都の老舗和菓子店の工房で、職人が丹念に炊き上げ、皮を徹底的に取り除いた、絹のように滑らかで光沢のあるこしあん。

中に入っているのは、口当たりの非常に滑らかな「こしあん」です。北海道十勝産の小豆を使い、店内で丁寧に炊き上げられています。小豆が柔らかくなるまでじっくりと加熱し、その後、舌に残りやすい皮を徹底的に除去することで、シルクのような舌触りを実現しています。この「皮をどこまで取り除くか」という手間こそが、老舗のこだわりですね。

京都の地下水が育む雑味のない味

雑味のないスッキリとした甘さの秘密は、京都の豊かな地下水(井戸水)にあるといわれています。京都の水は一般的に「軟水」であり、小豆の風味を損なわず、アクを綺麗に取り除くのに非常に適しています。硬水だと小豆の繊維が硬くなってしまうことがありますが、軟水で炊き上げることで、小豆本来の香りがふわっと引き立つんです。

味のバランスのポイント

  • あんこ自体には塩を一切使っていない
  • 外側の餅と豆の塩気だけで全体の味を調えている
  • この計算された設計が、飽きのこない美味しさの秘訣

職人の手早さが支えるつきたての鮮度と食感

京都の活気ある和菓子店の店頭で、熟練のアジア人女性職人が、つきたてのお餅であんこと豆を驚くべき速さで包み込み、名代豆餅を完成させる手元の様子。

出町ふたばの店頭を覗くと、職人さんたちが驚くべきスピードで次々と餅を丸めている姿が見えます。これは単に忙しいからではなく、「餅の鮮度」を守るための必然的な職人技なんです。お餅はつきたての瞬間から、デンプンの老化が始まり、温度が下がるとともに表面が乾燥して硬くなっていきます。

「触り過ぎない」という引き算の美学

三代目女将の教えに「素材の風味を大切にするために、触り過ぎないこと」という言葉があるそうです。職人が何度も餅をこねたり触ったりすると、手の温度でお餅がだれたり、コシが失われたりしてしまいます。最小限の動作で、一瞬のうちに最適な位置に豆を配置し、あんを包み込む。この「早業」こそが、機械製法では決して到達できない、ふたば独自の食感を生み出しているわけです。

季節限定の栗餅や桜餅など歳時記を彩る菓子

京都の老舗和菓子店の店頭に並ぶ、季節限定の和菓子。春の道明寺桜餅、夏の三角形の水無月、秋の大きな丹波栗が乗った栗餅。

季節(目安) 代表的な商品 特徴・こだわり
春(3月〜4月) 桜餅 伊豆産の香り高い桜の葉を使用。道明寺の食感が絶妙です。
夏(6月) 水無月 氷を模した三角形の外郎。二代目のレシピを継承した上品な甘さ。
秋(9月〜12月) 栗餅 丹波産の特大粒の栗を贅沢に使用。豆餅を超える人気になることも。
冬(12月〜1月) 福豆大福 柚子の香る冬至もちや、節分に合わせた特別な大福が登場。

京都の老舗、出町ふたばの豆餅を賢く入手する攻略法

京都の商店街にある老舗和菓子店「出町ふたば」の前に、名代豆餅を求めて開店前から並ぶ人々の長い行列と、誘導するスタッフの様子。

本店で待ち時間を短縮する電話予約の活用術

あまり知られていないかもしれませんが、実は出町ふたばの本店では電話での事前予約を受け付けています。

電話予約の確実な手順

  • 予約期限:受け取り希望日の「前日」17:30まで。当日の予約は不可能です。
  • 電話番号:075-231-1658(非常に繋がりにくいので、根気よくリダイヤル!)
  • 受け取り方法:店頭の整理スタッフに「予約しています」とハッキリ伝えてください。

伊勢丹や高島屋など百貨店での販売日と予約方法

出町まで足を運ぶ時間がないという方は、京都市内の百貨店を利用するのが便利です。

各百貨店の販売スケジュール(目安)

店舗名 販売曜日 販売開始時間(目安) 予約の可否
JR京都伊勢丹 月・水・金・日 12:00〜 / 14:30〜 WEB/店頭予約可
京都タカシマヤ 毎日 10:30〜 / 14:00〜 WEB予約優先
大丸京都店 毎日 11:00頃〜 電話予約可

当日中に食べられない時の冷凍保存と解凍のコツ

日本の家庭のキッチンで、アジア人女性が余った豆餅を一つずつ丁寧にラップで包み、冷凍保存袋に入れて空気を抜き、冷凍庫へ保存する様子。

出町ふたばの豆餅は保存料を一切使っていないため、消費期限は厳格に「当日中」です。冷蔵庫に入れるとお餅を最も硬くしてしまうため、当日中に食べられないなら、迷わず「冷凍」を選びましょう。

失敗しない冷凍・解凍のテクニック

もし余ってしまった場合は、お餅がまだ柔らかいうちに一つずつラップでぴったり包み、保存袋に入れて冷凍庫へ。食べる時は、常温で2〜3時間かけて自然解凍するのが一番つきたてに近い食感に戻ります。

将棋・王将戦でも話題!京都に広がる「ふたば」暖簾分けの系譜

出町柳の「出町ふたば」の豆餅はあまりにも有名ですが、実は京都市内にはその伝統を受け継ぐ暖簾分けの店舗が存在します。それぞれの店が独自の歴史を持ち、地域で愛され続けています。

稲荷ふたば(伏見区・伏見稲荷大社門前)

伏見稲荷大社の門前に店を構える「稲荷ふたば」は、創業90余年を数える御餅生菓子司です。出町柳の「出町ふたば」初代から昭和8年(1933年)に暖簾分けされたお店で、豆大福が看板メニューとなっています。

  • 住所:〒612-0807 京都府京都市伏見区深草稲荷中之町55

お店はJR稲荷駅前、伏見稲荷大社一の鳥居前の道(本町通り)を市内方面へ約250m進んだ場所にあります。この本町通りは旧街道「伏見街道(奈良街道・大和街道)」と呼ばれ、今も歴史の風情を感じさせる道です。

さらに、こちらの豆大福は将棋の王将戦において、藤井聡太王将がおやつとして注文したことでも大きな話題となりました。本家譲りの確かな味が、勝負の合間の癒やしとして選ばれた逸品です。

七条ふたば(下京区・七条大宮)

下京区の七条大宮(西本願寺近く)に店を構えるのが七条ふたばです。こちらも出町ふたばで修行を積んだ職人が開いた暖簾分け店であり、味は本家に極めて近い高品質を誇ります。

  • 住所:〒600-8268 京都市下京区七条通大宮東入大工町120-2

出町の本店との最大の違いは「行列の長さ」と「店舗の場所」です。本店の混雑を避けたい人にとっては、比較的並ばずに購入できる「穴場」的存在として非常に重宝されています。京都鉄道博物館や西本願寺を訪れる際には、ぜひ立ち寄りたい名店です。

京都の老舗、出町ふたばの豆餅を楽しむためのまとめ

京都の老舗、出町ふたばの豆餅を最高の状態で味わうためには、やはり「鮮度」と「事前準備」が鍵となります。本店の予約システムや百貨店の委託販売、そして「稲荷ふたば」「七条ふたば」といった暖簾分けの名店を上手に活用して、無理なく至高の味を楽しんでください。京都の伝統が息づく「おやつ」の時間を、最高の状態で満喫しましょう!

※販売スケジュールや予約方法は変更される場合があります。正確な最新情報については、必ず「出町ふたば」本店(075-231-1658)や各百貨店、関連店舗の公式サイトをご確認ください。

出町ふたば 公式サイト・販売サイト一覧

 

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