こんにちは。日本文化ラボ(Nippon Culture Lab)、運営者の「samuraiyan(さむらいやん)」です。
京都を代表する半導体企業のひとつが「ローム」です。
「ロームとは何の会社?」「ロームの強みは何?」「SiC半導体は本当に将来性がある?」「年収や就職先としてはどう?」と気になっている方も多いと思います。
ロームは、京都市右京区に本社を置く半導体・電子部品メーカーです。
一般消費者が「ROHM」と書かれた商品を店頭で直接買う機会はそれほど多くありません。
しかし、ロームの半導体や電子部品は、自動車、産業機器、家電、スマートフォン、AIサーバー、データセンター、電源機器など、私たちの暮らしを支えるさまざまな製品の中で使われています。
特に知られているのが、電力を高効率で制御するSiCパワー半導体です。
EV、産業機器、再生可能エネルギー、AIサーバーなど、大きな電力を効率よく扱う必要がある分野で重要性が高まっています。
ただし、現在のロームを「SiCの成長企業」とだけ見るのは正確ではありません。
2026年3月期には、BEV市場の成長鈍化などを背景としてSiC事業を中心に大規模な減損損失を計上しました。
一方、本業の営業損益は黒字へ回復し、2026年度からは第2次中期経営計画「MOVING FORWARD to 2028」のもと、SiC事業の黒字化、製造拠点再編、不採算事業の見直し、パワー・アナログ半導体への集中を進めています。
さらに、GaN、AIサーバー向け電源、DENSOとの車載半導体協業、東芝・三菱電機との半導体事業統合に向けた協議など、今後の事業構造を変える可能性のある動きも進んでいます。
この記事では、ロームの歴史、社名の由来、垂直統合、アナログIC、SiC・GaNパワー半導体、最新業績、平均年収、中期経営計画、就職・転職、投資視点まで、2026年9月1日時点の情報を中心に整理します。
この記事でわかること
- ロームとはどんな会社なのか
- 抵抗器から半導体メーカーへ成長した歴史
- 「ROHM」という社名の由来
- ロームの強みである垂直統合と品質重視
- アナログIC・パワー半導体の特徴
- SiC・GaNがなぜ注目されるのか
- 2026年3月期の大幅な最終赤字の理由
- 2027年3月期第1四半期の最新業績
- ロームの平均年間給与
- 「MOVING FORWARD to 2028」の目標
- DENSO・東芝・三菱電機などとの協業
- 就職・転職・投資で確認したいポイント
- ロームとは?京都発の半導体・電子部品メーカー
- ROHMという社名の由来|抵抗器の「R」と「OHM」
- ロームの歴史|小さな抵抗器から世界の半導体メーカーへ
- ロームの強み1|「品質第一」を軸にしたものづくり
- ロームの強み2|垂直統合型のIDMで設計から製造まで持つ
- ロームの強み3|アナログICとパワー半導体
- ロームの強み4|SiCパワー半導体
- ただしSiC事業は2026年に大きな減損|「成長市場=必ず利益」ではない
- ロームの強み5|GaNでもAIサーバー・EV向けを狙う
- 第2次中期経営計画「MOVING FORWARD to 2028」
- 2026年3月期の業績|営業黒字へ回復したが最終赤字は1,584億円
- 2027年3月期第1四半期は利益が大きく回復
- DENSOとの戦略的パートナーシップ|車載アナログ半導体を強化
- 東芝・三菱電機との半導体事業統合も協議中
- インドでも半導体製造ネットワークを拡大
- ロームの年収|平均年間給与は803万5,000円
- ロームへの就職はおすすめ?現在は「変革期」であることも理解したい
- ロームの将来性|「SiCの成長」より「SiCを利益に変えられるか」が重要
- ローム株を見るポイント|現在は「高成長株」より収益回復を確認する局面
- ロームシアター京都|半導体企業が支える京都の文化
- 京都テクノロジー6強の中で見るローム
- よくある質問
- まとめ|ロームはSiCの成長企業から「パワー・アナログで世界を狙う収益再建企業」へ
ロームとは?京都発の半導体・電子部品メーカー
ローム株式会社は、京都市右京区西院に本社を置く半導体・電子部品メーカーです。
会社としての設立は1958年9月17日ですが、そのルーツは1954年までさかのぼります。
創業者の佐藤研一郎氏が京都で東洋電具製作所を創業し、炭素皮膜固定抵抗器の開発・販売を始めたのがロームの原点です。
その後、トランジスタ、ダイオード、IC、LED、パワーデバイスなどへ事業領域を広げ、現在は世界で半導体・電子部品事業を展開しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | ローム株式会社 |
| 創業 | 1954年 |
| 設立 | 1958年9月17日 |
| 創業者 | 佐藤研一郎氏 |
| 本社 | 京都市右京区西院溝崎町21 |
| 代表取締役社長 CEO | 東克己氏 |
| 主な事業 | LSI、半導体素子、モジュール、抵抗器など |
| 2026年3月期売上高 | 4,811億48百万円 |
| 連結従業員数 | 21,756人 |
| 世界の拠点数 | 97拠点 |
| 証券コード | 6963 |
| 上場市場 | 東京証券取引所プライム市場 |
また、ロームは2025年6月に日経平均株価を構成する225銘柄、いわゆる「日経225」に採用されました。
京都の半導体・電子部品企業というだけでなく、日本を代表する上場企業のひとつとしても位置づけられています。
京都の技術企業を比較したい人へ京都テクノロジー6強とは?任天堂・京セラ・村田製作所などを比較も参考にしてください。
ROHMという社名の由来|抵抗器の「R」と「OHM」
ロームの社名には、創業時の事業がそのまま残っています。
「ROHM」は、創業当時の主力商品だった抵抗器を意味するResistorの「R」と、抵抗値の単位である「ohm(オーム)」を組み合わせたものです。
さらに公式情報では、「R」にはReliability=信頼性という意味も込められ、品質を第一とするロームの考え方を表していると説明されています。
ROHMという名前が表すもの
- R:Resistor=抵抗器
- OHM:抵抗値の単位
- R:Reliability=信頼性という意味も持つ
- 基本思想:品質第一
ロームの歴史|小さな抵抗器から世界の半導体メーカーへ
ロームの歴史は1954年、炭素皮膜固定抵抗器から始まりました。

1958年には株式会社東洋電具製作所を設立。
1961年には現在の京都市右京区西院溝崎町へ本社を移転しました。
1967年にはトランジスタとダイオード、1969年にはICの開発へ進出します。
1971年には、日本の半導体メーカーとして早い段階で米国シリコンバレーにIC開発拠点を設けました。
1981年には社名を現在の「ローム株式会社」へ変更しています。
| 年 | 主な出来事 |
|---|---|
| 1954年 | 東洋電具製作所を創業、炭素皮膜固定抵抗器を開発・販売 |
| 1958年 | 株式会社東洋電具製作所を設立 |
| 1961年 | 現在の京都市右京区へ本社移転 |
| 1967年 | トランジスタ・ダイオードを開発・販売 |
| 1969年 | IC開発を開始 |
| 1971年 | 米国シリコンバレーにIC開発拠点を設置 |
| 1981年 | 社名をローム株式会社へ変更 |
| 2025年 | 日経平均株価(日経225)構成銘柄に採用 |
| 2026年 | 第2次中期経営計画のもと収益構造改革を推進 |
ロームの強み1|「品質第一」を軸にしたものづくり
ロームの企業目的には、創業以来「品質を第一とする」という考え方があります。
半導体や電子部品では、わずかな不具合でも顧客製品全体へ大きな影響を与える可能性があります。
特に自動車、産業機器、医療・社会インフラなど、長期間安定して動作することが求められる分野では、高い信頼性が重要です。
ロームは設計だけでなく、製造工程や品質管理まで含めたものづくりを長年積み重ねています。
ロームの強み2|垂直統合型のIDMで設計から製造まで持つ
ロームの大きな特徴が、IDM型の半導体メーカーであることです。
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IDMとは「Integrated Device Manufacturer」の略で、半導体の開発・設計から製造までを一体で行う企業を指します。
半導体業界には、設計に特化するファブレス企業や、製造を専門に請け負うファウンドリもあります。
一方、ロームは社内に製造技術や工場を持ち、製品に合わせて設計と製造を作り込めることを強みとしてきました。
| 特徴 | 強み | 注意点 |
|---|---|---|
| 設計・製造一体 | 製品特性に合わせて工程まで作り込める | 設備投資額が大きくなりやすい |
| 品質 | 製造工程まで管理しやすい | 工場稼働率が収益に影響する |
| 技術蓄積 | 製造ノウハウを社内に蓄積できる | 市場変化に合わせた設備再編が必要 |
| 供給 | 重要製品の供給力を自社で管理しやすい | 需要低下時に固定費負担が大きくなる |
2025~2026年のロームが経験した利益悪化は、IDMのメリットとリスクの両方をよく示しています。
需要が予想より弱くなると、大規模設備を持つ企業は減価償却費や固定費の影響を強く受けます。
そのため現在のロームは、IDMという強みを維持しながらも、製造拠点再編や設備投資の最適化を進めています。
ロームの強み3|アナログICとパワー半導体
半導体というと、CPU、GPU、メモリなどを思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、ロームが重点を置くのは「パワー・アナログ」領域です。
アナログ半導体は、電圧、電流、温度、光、音など現実世界の連続的な情報を扱います。
パワー半導体は、大きな電力を変換・制御するために使われます。
自動車、工場、データセンター、家電など、電気を使うほぼすべての機器と関係する分野です。
ロームの重点領域
- アナログIC
- パワー半導体
- SiCパワーデバイス
- GaNパワーデバイス
- 車載向け半導体
- AIサーバー・データセンター向け電源
- 産業機器向け半導体
ロームの強み4|SiCパワー半導体
ロームの将来性を考えるうえで、最も注目される技術のひとつがSiCです。
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SiCは「Silicon Carbide(炭化ケイ素)」の略です。
従来のシリコン製パワー半導体と比べ、高電圧・高温環境で使いやすく、電力変換損失を低減できることが大きな特徴です。
EVのインバータ、急速充電器、産業機器、太陽光・蓄電、データセンターなどで利用拡大が期待されています。
第5世代SiC MOSFETを開発
ロームは2026年4月、第5世代SiC MOSFETを発表しました。
従来の第4世代製品と比較し、高温時のオン抵抗を約30%低減しています。
EVのトラクションインバータだけでなく、AIサーバーやデータセンター、産業機器なども用途として想定されています。
2026年7月からは、第5世代SiC MOSFETを搭載したディスクリート製品やモジュールのサンプル提供も始まっています。
EVだけではなくAIサーバーへ用途を広げる
旧記事ではSiCとEVの関係を中心に紹介していました。
しかし現在は、EV以外の需要をどこまで育てられるかも重要です。
生成AIの普及でデータセンターの消費電力が増えれば、サーバー電源や電力インフラの高効率化が大きな課題になります。
2026年には、ロームのSiC MOSFETがAIサーバー向けBBU(バッテリーバックアップユニット)にも採用されています。
現在のSiCを見るポイント
- EVだけに依存しない用途拡大
- AIサーバー・データセンター
- 産業機器
- エネルギー・蓄電
- 次世代デバイスの低損失化
- 8インチ化による製造コスト改善
- SiC事業の黒字化
ただしSiC事業は2026年に大きな減損|「成長市場=必ず利益」ではない
ここは今回の全面リライトで最も重要な部分です。
ロームは2026年3月期に、固定資産について合計1,936億円の減損損失を計上しました。
中心となったのは、国内外のSiC事業関連の生産設備を含むパワーデバイス関連資産です。
背景には、BEV市場の成長見通しが従来想定より低下したことがあります。
米国のEV支援策の縮小や、欧州での内燃機関車規制を巡る政策見直しなどを踏まえ、将来のBEV市場成長率を再評価しました。
「SiCだから将来安心」とは言えませんSiCは省エネ・高効率化に重要な成長技術ですが、市場成長の速度と設備投資のタイミングがずれると、工場稼働率や減価償却費が利益を圧迫します。ロームの将来性では、SiCの売上だけでなく「SiC事業を黒字化できるか」が非常に重要です。
一方で、この減損によってSiC事業そのものから撤退したわけではありません。
ロームは設備投資計画を見直し、次世代デバイス、歩留まり改善、8インチウエハへの移行などによってSiC事業の収益改善を進めています。
ロームの強み5|GaNでもAIサーバー・EV向けを狙う
パワー半導体でロームが取り組んでいるのはSiCだけではありません。
もうひとつの重要な材料がGaN(窒化ガリウム)です。
GaNは高周波動作に優れ、電源の小型化や高効率化と相性が良いパワー半導体です。
ACアダプターなどで実用化が進んできましたが、AIサーバー電源やEVのオンボードチャージャーなど、より高出力な用途への展開も期待されています。
2026年2月、ロームはTSMCのGaNプロセス技術を導入し、ローム浜松でGaNパワーデバイスをグループ内で一貫生産できる体制を構築すると発表しました。
2027年の生産体制確立を目指しています。
SiCとGaNのイメージ
- SiC:高電圧・大電力分野に強く、EV・産業機器・データセンターなど
- GaN:高周波・小型化に強く、AIサーバー電源、ACアダプター、車載充電など
第2次中期経営計画「MOVING FORWARD to 2028」
2025年11月、ロームは第2次中期経営計画「MOVING FORWARD to 2028」を発表しました。
期間は2026年度から2028年度です。
旧中期経営計画では市場環境の急変に対応しきれず、設備投資や在庫が過大となり、収益性と資産効率が悪化したとローム自身が総括しています。
その反省を踏まえ、新計画では「売上規模を追う」ことより、まず収益力を立て直すことを優先します。
2035年はパワー・アナログ半導体で世界トップ10を目指す
ロームが2035年に目指しているのは、「半導体技術でグローバルに存在感のある会社」です。
具体的には、パワー・アナログ半導体分野で世界トップ10に入ることを掲げています。
| 指標 | 2028年度目標 |
|---|---|
| 売上高 | 5,000億円超 |
| 営業利益率 | 20%超 |
| ROE | 9%超 |
特に注目したいのが営業利益率20%超です。
2026年3月期の営業利益率は約2.3%でした。
2027年3月期の会社予想でも、売上高5,100億円に対して営業利益300億円、営業利益率は約5.9%です。
つまり、2028年度に20%超を達成するには、非常に大幅な収益改善が必要です。
営業利益1,000億円への改善策
ロームは2028年度に営業利益1,000億円規模を目指し、主に次の改革を進めています。
収益改善の主な柱
- SiC事業の黒字化
- 8インチ化・歩留まり改善
- 製造拠点の再編・統合
- 不採算事業の縮小・撤退
- 製造コスト・調達コストの削減
- 価格の適正化
- DXによる業務効率改善
- 車載・AIサーバーなど成長市場の売上拡大
2026年3月期の業績|営業黒字へ回復したが最終赤字は1,584億円
現在のロームを理解するには、営業利益と最終利益を分けて見ることが非常に重要です。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 4,484億66百万円 | 4,811億48百万円 |
| 営業利益 | ▲400億61百万円 | 108億64百万円 |
| 経常利益 | ▲296億98百万円 | 192億22百万円 |
| 親会社株主帰属純利益 | ▲500億65百万円 | ▲1,584億24百万円 |
| 営業利益率 | ▲8.9% | 約2.3% |
本業の利益を示す営業利益は、2025年3月期の約401億円の赤字から、2026年3月期は約109億円の黒字へ回復しました。
それにもかかわらず最終赤字が1,584億円まで膨らんだ最大の理由が、前述した1,936億円の減損損失です。
「業績が悪化して1,584億円の営業赤字になった」という意味ではないので、数字の読み方には注意してください。
2027年3月期第1四半期は利益が大きく回復
2026年9月1日時点で最新となる2027年3月期第1四半期では、売上・利益とも前年同期から大きく改善しました。
| 項目 | 2027年3月期1Q | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,357億39百万円 | +16.8% |
| 営業利益 | 96億35百万円 | 大幅改善 |
| 経常利益 | 112億43百万円 | +352.6% |
| 四半期純利益 | 90億6百万円 | +203.6% |
| 営業利益率 | 約7.1% | 前年同期約0.2% |
2027年3月期通期の会社予想は、8月5日時点では据え置かれています。
| 項目 | 2027年3月期会社予想 |
|---|---|
| 売上高 | 5,100億円 |
| 営業利益 | 300億円 |
| 経常利益 | 360億円 |
| 親会社株主帰属純利益 | 290億円 |
短期的には収益回復が見え始めています。
ただし、中期計画の営業利益率20%超を実現するためには、ここからさらに大きな改善が必要です。
DENSOとの戦略的パートナーシップ|車載アナログ半導体を強化
ロームの将来性を考えるうえで、他社との協業も重要になっています。
2025年5月にはDENSOと半導体分野における戦略的パートナーシップの基本合意を発表しました。
特に自動車の電動化・知能化に必要となるアナログICなどで共同開発を進めています。
2026年にはDENSOによるローム株式取得の検討が行われましたが、この提案自体は4月に撤回されました。
ただし、DENSOとの戦略的パートナーシップそのものは終了していません。
ロームとDENSOは、アナログICの開発や供給、人材交流などを含む協業をさらに進める方針です。
東芝・三菱電機との半導体事業統合も協議中
さらに2026年3月には、ローム、東芝側、三菱電機による半導体事業統合に向けた協議が始まりました。
ロームは以前から、東芝デバイス&ストレージの半導体事業との連携について検討を進めてきました。
そこへ三菱電機のパワーデバイス事業も加わり、世界市場で競争できる事業規模や技術基盤を作ることを目指しています。
まだ「統合決定」ではありません2026年9月1日時点では、東芝デバイス&ストレージの半導体事業や三菱電機のパワーデバイス事業との統合は協議・検討段階です。正式な統合が完了したわけではありません。
もし実現すればロームの事業構造を大きく変える可能性があるため、今後のIR発表は重要です。
インドでも半導体製造ネットワークを拡大
ロームはインドでも半導体製造パートナーとの連携を強化しています。
2025年12月にはTata Electronics、2026年3月にはSuchi Semiconとの戦略的な製造パートナーシップを発表しました。
日本国内ですべてを作るだけでなく、地域ごとの半導体サプライチェーンを強化する動きです。
半導体は経済安全保障や地政学とも関係する産業になっています。
今後は「どこで作るのか」という生産拠点戦略も、ロームの競争力を見る重要なポイントになります。
ロームの年収|平均年間給与は803万5,000円
ロームへの就職・転職を考えている人にとって、給与水準も気になるところです。
2026年3月期の有価証券報告書では、ローム株式会社単体の平均年間給与は8,035,000円です。
| 項目 | 2026年3月末 |
|---|---|
| 単体従業員数 | 4,199人 |
| 平均年齢 | 42.4歳 |
| 平均勤続年数 | 14.0年 |
| 平均年間給与 | 8,035,000円 |
| 前年比 | ▲0.8% |
旧記事では「800万円台前半の目安」としていましたが、今回は最新の有価証券報告書の数値へ更新します。
ロームの平均年収を見るときの注意
- 入社初年度の年収ではありません
- ローム株式会社単体の平均です
- グループ全体の平均ではありません
- 賞与・基準外賃金を含みます
- 職種、年齢、役職、評価、勤務地などで実際の給与は異なります
京都企業の給与を比較したい人へ京都企業の年収ランキング|任天堂・京セラ・村田製作所など給与水準を比較も参考にしてください。
ロームへの就職はおすすめ?現在は「変革期」であることも理解したい
ロームは、半導体、アナログ回路、パワーデバイス、材料、製造技術などに関心がある人にとって魅力的な企業です。
一方、現在は大きな構造改革を進めている時期でもあります。
「京都の大手企業だから安定している」という理由だけで就職先を選ぶのではなく、自分が関わる事業や職種の将来性まで確認した方がよいでしょう。
ロームと相性を確認したい人
- 半導体・電子部品に関心がある
- アナログICや電源回路を開発したい
- SiC・GaNなど次世代パワーデバイスに関わりたい
- 車載半導体を扱いたい
- AIサーバーやデータセンター電源に関心がある
- 半導体プロセスや生産技術を磨きたい
- 品質・信頼性を重視するメーカーで働きたい
- グローバルな顧客や製造拠点と仕事をしたい
ロームで考えられる主な職種
| 職種 | 主な専門領域 |
|---|---|
| LSI設計 | アナログIC、電源IC、回路設計など |
| デバイス開発 | SiC、GaN、Siパワー、トランジスタなど |
| プロセス開発 | ウエハ製造、前工程、歩留まり改善など |
| 生産技術 | 製造設備、自動化、工程改善など |
| 品質保証 | 車載品質、信頼性評価、不具合解析など |
| FAE・技術営業 | 顧客の回路設計・製品開発を技術面から支援 |
| 管理・事業企画 | 経営企画、知財、法務、財務、人事など |
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ロームの将来性|「SiCの成長」より「SiCを利益に変えられるか」が重要
ロームには、SiC、GaN、AIサーバー、車載、産業機器という有望な市場があります。
ただし現在の将来性を見るなら、「市場が伸びるか」だけでは足りません。
その市場の成長を、ローム自身の利益へ変えられるかが最も重要です。
2026年以降のロームで確認したいこと
- SiC事業がいつ黒字化するか
- 第5世代SiCの採用拡大
- 8インチSiCへの移行と歩留まり
- AIサーバー向けSiC・GaN需要
- GaNの量産体制
- DENSOとのアナログ半導体協業
- 東芝・三菱電機との統合協議
- 製造拠点再編の効果
- 在庫の削減
- 営業利益率の改善
ローム株を見るポイント|現在は「高成長株」より収益回復を確認する局面
ロームは東京証券取引所プライム市場に上場しており、証券コードは6963です。
旧記事では「SiCという高成長テーマを持つ半導体株」としての側面が強く出ていました。
現在は、そこに「収益再建」という視点を加える必要があります。
2025年3月期は営業赤字、2026年3月期は営業黒字へ回復、そして2027年3月期第1四半期ではさらに利益率が改善しています。
この流れが続くかどうかが重要です。
投資で確認したい指標
- 売上高
- 営業利益・営業利益率
- SiC事業の損益
- 在庫水準
- 設備投資額
- 減価償却費
- フリーキャッシュフロー
- ROE
- PER・PBR
- 配当
2026年3月期の年間配当は50円
2026年3月期の1株当たり年間配当は50円です。
2027年3月期も年間50円を会社が計画しています。
ただし配当利回りは株価によって変化するため、購入を検討する場合は最新株価と合わせて確認してください。
投資に関する注意本記事はロームの企業・事業を理解するための一般的な企業研究記事です。特定銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。株式投資には元本割れの可能性があります。投資判断では、最新のローム公式IR、決算資料、中期経営計画、株価、配当などをご確認ください。
ロームシアター京都|半導体企業が支える京都の文化
ロームを京都企業として見るとき、文化支援も特徴のひとつです。

京都市左京区岡崎にある「ロームシアター京都」は、京都を代表する文化施設です。
ロームはネーミングライツだけでなく、音楽文化を中心とした文化・芸術活動への支援を長年続けています。
また、公益財団法人ローム ミュージック ファンデーションを通じて、若手音楽家の支援などにも取り組んでいます。
半導体企業としての技術だけでなく、京都の文化を支える活動も、ロームという企業を知るひとつの側面です。
京都テクノロジー6強の中で見るローム
京都の主要技術企業は、同じ京都企業でも収益構造が大きく異なります。
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この中で現在のロームは、単純な「高成長テーマ型」ではなく、「パワー・アナログ半導体を成長軸に、収益構造を立て直している企業」と見る方が正確です。
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京都企業が強い理由|老舗文化・技術力・独自経営を解説では、京都企業全体の特徴を紹介しています。
よくある質問
ロームは何の会社ですか?
京都市右京区に本社を置く半導体・電子部品メーカーです。LSI、パワー半導体、ディスクリート半導体、抵抗器、モジュールなどを開発・製造・販売しています。
ロームはいつ創業しましたか?
ルーツとなる東洋電具製作所の創業は1954年です。現在の株式会社につながる会社設立は1958年9月17日です。
ROHMという社名の由来は?
創業時の主力製品だった抵抗器(Resistor)の頭文字「R」と、抵抗値の単位「ohm」を組み合わせたものです。「R」はReliability(信頼性)の意味にもつながっています。
ロームの強みは何ですか?
品質第一のものづくり、設計から製造までを持つ垂直統合型IDM、アナログIC・パワー半導体の技術、SiC・GaNなど次世代パワーデバイスへの取り組みなどが強みです。
SiCとは何ですか?
炭化ケイ素を材料とする次世代パワー半導体です。従来のシリコンに比べて高電圧・高温環境に適し、電力変換損失を減らせるため、EV、産業機器、AIサーバーなどで採用拡大が期待されています。
ロームはSiC事業から撤退するのですか?
2026年3月期にはSiC事業を中心とした固定資産について大規模な減損を行いましたが、SiC事業から撤退したわけではありません。現在も次世代SiCデバイス、8インチ化、歩留まり改善などを進め、SiC事業の黒字化を目指しています。
ロームの2026年3月期の最終赤字が大きい理由は?
本業の営業利益は約109億円の黒字でしたが、SiC事業関連を中心に1,936億円の減損損失を計上したため、親会社株主に帰属する純損失は1,584億24百万円となりました。
ロームの平均年収はいくらですか?
2026年3月期の有価証券報告書では、ローム株式会社単体の平均年間給与は8,035,000円です。平均年齢42.4歳、平均勤続年数14.0年です。
ロームの最新業績は回復していますか?
2027年3月期第1四半期は売上高1,357億39百万円、営業利益96億35百万円となり、前年同期から大きく改善しています。ただし、2028年度の中期計画目標まではさらに大幅な利益率改善が必要です。
ロームの将来性を見る最大のポイントは?
SiC・GaNの市場成長だけでなく、SiC事業の黒字化、営業利益率改善、製造拠点再編、AIサーバー・車載向け製品拡大、他社との協業・統合協議などを確認することが重要です。
まとめ|ロームはSiCの成長企業から「パワー・アナログで世界を狙う収益再建企業」へ
ロームは1954年、京都で炭素皮膜抵抗器を作るところから始まりました。
そこからトランジスタ、ダイオード、ICへ進出し、現在では世界で半導体・電子部品を供給する企業へ成長しています。
ロームの強みの根底にあるのは「品質第一」です。
さらに、設計から製造までを持つ垂直統合型IDM、アナログIC、パワー半導体、SiC・GaNといった技術を持っています。
一方、現在のロームを「SiCの成長企業」とだけ見るのは不十分です。
EV市場の成長が従来予想を下回ったことなどから、2026年3月期にはSiC関連を中心に大規模な減損を行いました。
その結果、最終損益は大幅赤字となりましたが、本業の営業損益は黒字へ戻っています。
2027年3月期第1四半期も、売上高・営業利益とも大きく改善しました。
現在進めている第2次中期経営計画「MOVING FORWARD to 2028」で最も重要なのは、SiCの売上を増やすことだけではありません。
SiC事業を実際に黒字化し、ローム全体の営業利益率を高められるかです。
2035年には、パワー・アナログ半導体分野で世界トップ10に入る企業を目指しています。
そのために、SiC・GaN、車載、AIサーバーへの展開だけでなく、DENSOとの協業、東芝・三菱電機との統合協議、製造拠点再編なども進めています。
ロームの将来性を考えるなら、「SiC市場が成長するか」という一点ではなく、強い半導体技術を、持続的な利益へ変えられる企業になれるかを見ることが大切です。
この記事の要点
- ロームの創業は1954年、会社設立は1958年
- 社名はResistorのR+抵抗単位ohmが由来
- 強みは品質第一・垂直統合型IDM
- アナログIC・パワー半導体を重点領域とする
- SiC・GaNをEV・AIサーバー・産業機器へ展開
- 2026年3月期はSiC関連を中心に1,936億円を減損
- 営業利益は黒字へ回復したが、最終損失は1,584億円
- 2027年3月期1Qは売上1,357億円・営業利益96億円
- 平均年間給与は803万5,000円
- 2028年度に売上5,000億円超・営業利益率20%超を目標
- 2035年にパワー・アナログ半導体で世界トップ10を目指す
- 今後はSiC事業の「売上」より「黒字化」が重要
ご利用にあたっての注意この記事は2026年9月1日時点で確認できるローム公式サイト、公式IR資料、有価証券報告書などをもとに全面リライトしています。業績、SiC・GaN事業、事業統合協議、中期経営計画、平均年間給与、採用情報、株価、配当などは変更される場合があります。就職・転職・投資などの判断を行う場合は、必ず最新の公式情報をご確認ください。

