京都企業の企業文化シリーズ「京都フィナンシャルグループ」個別分析ページです。京都フィナンシャルグループは、京都銀行を中核とする東証プライム上場の金融グループです。銀行だけでなく、証券、コンサルティング、投資、リース、M&A、事業再生、ECなどへ事業領域を広げ、「総合ソリューション企業」から「価値創造グループ」への進化を目指しています。
この記事では、企業文化の中心である「地域社会の繁栄に奉仕する」、3つの行動指針、「新しい波を起こせ。」というブランドメッセージ、京都銀行から続く歴史、広域型地方銀行としての強み、最新業績、平均年収、就職・転職、株式投資、将来性まで詳しく解説します。
こんにちは。日本文化ラボ(Nippon Culture Lab)、運営者の「samuraiyan(さむらいやん)」です。
京都企業の企業文化を見ていくと、それぞれの会社を象徴する言葉があります。
京セラには「アメーバ経営」。
オムロンには「SINIC理論」。
SCREENには「思考展開」。
堀場製作所には「おもしろおかしく」。
TOWAには「クォーター・リード」。f
NISSHAには「誰もやらないことをやる」という創業以来の差別化精神があります。
では、京都を代表する金融グループである京都フィナンシャルグループはどうでしょうか。
その中心にあるのが、
「地域社会の繁栄に奉仕する」
という経営理念です。
この言葉は、京都フィナンシャルグループが2023年に設立されたときに新しく作られたものではありません。
中核企業である京都銀行が1941年の創立以来、一貫して掲げてきた経営理念を受け継いだものです。
つまり京都フィナンシャルグループは、企業としては2023年設立の新しい会社ですが、企業文化のルーツは80年以上前までさかのぼります。
しかも現在、その理念の実現方法が大きく変わろうとしています。
昔の地方銀行であれば、
- 預金を集める
- 企業へ融資する
- 住宅ローンを提供する
という銀行業務が中心でした。
しかし現在の地域企業が抱える問題は、お金だけでは解決できません。
後継者がいない。
人材が足りない。
DXを進めたい。
海外へ進出したい。
会社を売却・承継したい。
新しい事業を始めたい。
地域そのものが人口減少で縮小している。
こうした課題に対応するため、京都銀行は2023年10月に持株会社体制へ移行し、京都フィナンシャルグループを設立しました。
現在は銀行だけでなく、証券、M&A、コンサルティング、ベンチャー投資、リース、事業再生などを組み合わせ、地域企業の課題をグループ全体で解決しようとしています。
そして2026年からは、さらに一歩進んで、
「京都・関西の成長を日本の力に。」
という中期経営計画をスタートしました。
金融機関が地域経済を「支える」だけでなく、地域の成長そのものを「つくる」存在になろうとしているのです。
この記事では、京都フィナンシャルグループを単なる「京都銀行の持株会社」ではなく、京都企業の企業文化という視点から詳しく見ていきます。
この記事でわかること
- 京都フィナンシャルグループとはどんな会社なのか
- 京都銀行との違い
- なぜ2023年に持株会社を設立したのか
- 経営理念「地域社会の繁栄に奉仕する」とは何か
- 3つの行動指針とは何か
- ブランドメッセージ「新しい波を起こせ。」の意味
- 丹和銀行から京都銀行へ続く歴史
- 京都フィナンシャルグループの強み
- 広域型地方銀行とは何か
- M&A・事業承継支援に強い理由
- 「地域みらい共創」とは何か
- 2026年3月期の最新業績
- 2027年3月期第1四半期の業績
- 新中期経営計画の目標
- 平均年収
- 就職・転職先として見るポイント
- 京都FG株を投資視点で見るポイント
- 京都フィナンシャルグループとは?京都銀行を中核とする金融グループ
- 京都フィナンシャルグループと京都銀行の違い
- 京都銀行の歴史|1941年「丹和銀行」から始まった
- 企業文化の中心「地域社会の繁栄に奉仕する」
- 3つの行動指針|誠実・志・変革
- ブランドメッセージ「新しい波を起こせ。」
- なぜ京都フィナンシャルグループを作ったのか?
- 京都FGのグループ会社|銀行だけではない
- 京都FGの強み1|京都銀行が築いた広い顧客基盤
- 京都FGの強み2|京都には成長企業が多い
- 京都FGの強み3|M&A・事業承継を早くから強化
- 京都FGの強み4|金融資産だけでなく「企業の課題全体」を見る
- 京都FGの強み5|政策保有株式を「次の成長」へ回す
- 「地域みらい共創」|地域そのものを事業として成長させる
- 京都FGの企業文化|「支える」から「変える」へ
- 「全員活躍」と挑戦する企業風土
- 2026年3月期業績|純利益967億円
- 2027年3月期1Q|貸出金利息増加で大幅増益
- 2027年3月期会社予想|純利益520億円
- 新中期経営計画|「京都・関西の成長を日本の力に。」
- 2028年度目標|純利益900億円以上
- 10年後は「価値創造グループ」へ
- 京都FGの平均年収|約842万円
- 京都FGへの就職・転職|「銀行員」だけではなくなっている
- 京都FGに向いている人は?
- 京都FG株を投資視点で見るポイント
- 京都企業として見る京都FG|「企業を作る側」を支える会社
- 京都FGの企業文化は「伝統を守るために変革する」
- 企業文化シリーズで見る京都フィナンシャルグループ
- よくある質問
- まとめ|京都FGの企業文化は「地域を支える」から「地域を共につくる」へ
京都フィナンシャルグループとは?京都銀行を中核とする金融グループ
株式会社京都フィナンシャルグループは、京都市下京区に本店を置く銀行持株会社です。
2023年10月2日に設立されました。
中核企業は京都銀行です。
そのほか、証券、カード、コンサルティング、ベンチャー投資、リース、M&A、事業再生などを担う企業を傘下に持っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社京都フィナンシャルグループ |
| 英文名 | Kyoto Financial Group, Inc. |
| 設立 | 2023年10月2日 |
| 本店 | 京都市下京区烏丸通松原上る薬師前町700番地 |
| 代表取締役社長 | 土井伸宏氏 |
| 資本金 | 400億円 |
| 連結従業員数 | 3,676人(2026年3月31日現在) |
| 証券コード | 5844 |
| 上場市場 | 東京証券取引所プライム市場 |
| 経営理念 | 地域社会の繁栄に奉仕する |
京都フィナンシャルグループと京都銀行の違い
「京都フィナンシャルグループと京都銀行は同じ会社?」と疑問に思う方もいるでしょう。
厳密には別会社です。
| 会社 | 役割 |
|---|---|
| 京都フィナンシャルグループ | グループ全体の経営戦略・資本配分・事業管理を担う持株会社 |
| 京都銀行 | 預金・融資・為替・信託など銀行業務を担う中核事業会社 |
株式市場に上場しているのは京都フィナンシャルグループ京都銀行は2023年に単独上場を廃止し、現在は京都フィナンシャルグループが東証プライム市場に上場しています。株式や連結決算を見る場合は「京都フィナンシャルグループ」、銀行サービスや店舗を見る場合は「京都銀行」を確認すると理解しやすくなります。
京都銀行の歴史|1941年「丹和銀行」から始まった
京都フィナンシャルグループの設立は2023年ですが、その歴史を理解するには京都銀行までさかのぼる必要があります。
京都銀行の前身は、1941年に誕生した「丹和銀行」です。
京都府北部にあった、
- 両丹銀行
- 宮津銀行
- 丹後商工銀行
- 丹後産業銀行
の4行が合併して誕生しました。
本店は現在の京都市ではなく、福知山市にありました。

1951年|「京都銀行」へ改称
戦後、京都経済を支える地元金融機関への期待が高まる中、1951年に「京都銀行」へ改称。
1953年には本店を福知山市から京都市へ移しました。
その後、京都府内だけではなく、大阪、滋賀、奈良、兵庫、愛知、東京へ営業エリアを広げていきます。
京都銀行・京都FGの主な歴史
- 1941年:4銀行の合併で丹和銀行創立
- 1951年:京都銀行へ改称
- 1953年:本店を京都市へ移転
- 1973年:京都証券取引所へ上場
- 2001年頃:M&A支援業務を早期から強化
- 2017年:京銀証券が営業開始
- 2018年:信託業務へ参入
- 2020年:人材紹介業務を開始
- 2023年:京都フィナンシャルグループ設立
- 2024年:積水リースを子会社化
- 2025年:京都M&Aアドバイザリーが営業開始
- 2026年:新中期経営計画をスタート
企業文化の中心「地域社会の繁栄に奉仕する」
京都フィナンシャルグループの経営理念は、
「地域社会の繁栄に奉仕する」
です。
さらに現在は、
「地域の成長を牽引し、ともに未来を創造する」
という考え方を加えています。
地方銀行の経営理念として見ると、一見すると自然な言葉に見えるかもしれません。
しかし、この理念は地方銀行のビジネスモデルそのものと深く関係しています。
地域の企業が成長する。
雇用が増える。
人が住む。
消費が増える。
住宅が建つ。
新しい会社が生まれる。
すると金融機関の預金・融資・資産運用・決済などのビジネスも成長します。
逆に、地域経済が縮小すれば、金融機関自身の市場も縮小します。
つまり地域金融機関にとって、
地域の成長と自社の成長は切り離せない
ということです。
3つの行動指針|誠実・志・変革
京都フィナンシャルグループ設立時には、経営理念を実際の行動へ落とし込むため、3つの行動指針が新たに定められました。
京都フィナンシャルグループの3つの行動指針
- 誠実に向き合う
- 志を高く
- 変革へ挑戦
誠実に向き合う
金融機関にとって最大の資産は信用です。
預金者は銀行へお金を預けます。
企業は融資を受けます。
顧客は資産運用や相続について相談します。
こうした仕事は「この会社なら任せられる」という信頼がなければ成立しません。
そのため「何事にも真摯に向き合い、信頼される存在であり続ける」ことを最初の行動指針にしています。
志を高く
二つ目は「志を高く」です。
現在の銀行業界は大きく変わっています。
ネット銀行。
フィンテック。
キャッシュレス。
生成AI。
人口減少。
地方銀行が従来通り預金と融資だけを続けていても成長は難しくなっています。
そこで、一人ひとりが高い目標を持ち、迅速に判断することを重視しています。
変革へ挑戦
三つ目が、現在の京都FGを最も象徴する「変革へ挑戦」です。
会社は社会の変化をリスクだけではなく、未来へつながる変革の機会として捉えることを掲げています。
地方銀行から金融グループへ。
金融から非金融へ。
融資からコンサルティングへ。
地域支援から地域共創へ。
これらは、まさに「変革へ挑戦」の具体例です。
ブランドメッセージ「新しい波を起こせ。」
京都フィナンシャルグループはコーポレートブランドとして、
「新しい波を起こせ。」
というメッセージを掲げています。
ロゴも京都になじみ深い「枯山水」の砂紋から着想を得た「波紋」がモチーフです。
3本の波紋は、
- お客さま
- 地域社会
- 株主
を表しています。
一人の社員や一つの会社が生み出す小さな変化でも、それが周囲へ広がれば新しい価値につながる。
「新しい波を起こせ。」は、その考え方を視覚的にも言葉でも表したものです。

京都らしいブランド設計京都の伝統的な枯山水をモチーフにしながら、伝えようとしているのは「変化を起こす金融グループ」という未来志向のメッセージです。伝統的な京都文化と現在の企業変革を組み合わせたブランド設計と見ることができます。
なぜ京都フィナンシャルグループを作ったのか?
京都銀行は2023年、持株会社体制へ移行しました。
大きな理由は、銀行業務だけでは顧客の課題を十分に解決できなくなったことです。
例えば、ある京都企業の経営者が、
「後継者がいない」
と相談したとします。
単純に融資を増やしても後継者問題は解決しません。
必要なのは、
- 事業承継
- M&A
- 人材
- 税務・資産承継
- 株式
- 不動産
などを組み合わせた支援です。
そこで京都銀行だけでなく、専門会社をグループ内へ増やし、総合的な解決策を提供できる体制へ変えました。

京都FGのグループ会社|銀行だけではない
現在の京都フィナンシャルグループには、多様な専門会社があります。
| 分野 | 主な役割 |
|---|---|
| 京都銀行 | 銀行・融資・預金・信託など |
| 京銀証券 | 証券・資産運用 |
| 京都総研コンサルティング | 経営コンサルティング・調査 |
| 京都キャピタルパートナーズ | 投資・ベンチャー支援 |
| 積水リース | リース |
| 京都M&Aアドバイザリー | M&A・事業承継 |
| きょうと事業再生債権回収 | 事業再生支援 |
| Cotoyoli | EC・販路拡大支援など |
これを見ると、「フィナンシャルグループ」という名前ではありますが、実際には金融だけでなく企業経営そのものへ関わる事業が増えていることが分かります。
京都FGの強み1|京都銀行が築いた広い顧客基盤
最大の強みは、京都銀行が長年築いてきた顧客基盤です。
京都銀行は「京都の地方銀行」でありながら、営業エリアは京都府だけではありません。
2026年3月時点では、京都府、大阪府、滋賀県、兵庫県、奈良県、愛知県、東京都などへネットワークを広げています。
京都FGは自らを「広域型地方銀行グループ」として位置づけています。
2026年の中期経営計画では、京都銀行の店舗網として、
- 京都府:111店舗
- 大阪府:31店舗
- 滋賀県:14店舗
- 兵庫県:8店舗
- 奈良県:7店舗
- 愛知県:2店舗
- 東京都:1店舗
という広域ネットワークが示されています。
京都FGの強み2|京都には成長企業が多い
京都フィナンシャルグループにとって、京都そのものも大きな事業基盤です。
京都には、
- 任天堂
- 京セラ
- 村田製作所
- オムロン
- 島津製作所
- ニデック
- ローム
- SCREEN
- TOWA
など世界的企業が集積しています。
さらに大学や研究機関が多く、ベンチャー企業も生まれやすい地域です。
京都FGの2026年中期計画でも、京都・関西について、
「伝統」と「革新」が融合する地域
として捉えています。
京都企業全体については、京都企業はなぜ強い?世界で戦う技術企業が京都に集まる理由もあわせてご覧ください。
京都FGの強み3|M&A・事業承継を早くから強化
現在、地域経済で大きな問題になっているのが後継者不足です。
黒字企業であっても、後継者がいなければ廃業する可能性があります。
京都銀行は地方銀行の中でも早い時期からM&A支援へ取り組み、2001年にはM&A業務を立ち上げています。
長年の案件支援によってノウハウと専門人材を育成してきました。
そして2025年には、専門会社「京都M&Aアドバイザリー」が営業を開始。
M&A・事業承継をグループの重要事業としてさらに強化しています。
京都FGの強み4|金融資産だけでなく「企業の課題全体」を見る
2026~2028年度の新中期経営計画では、
「トータルソリューション戦略」
を主要戦略の一つとしています。
重要なのは、目の前に現れた問題だけを解決するのではないことです。
企業が「融資してほしい」と言ったとしても、本当の問題は、
- 生産性
- 人手不足
- 事業承継
- 海外進出
- 設備
- 不動産
- DX
にあるかもしれません。
そこで顕在ニーズだけでなく潜在ニーズまで把握し、グループ全体で解決することを目指しています。
京都FGの強み5|政策保有株式を「次の成長」へ回す
京都銀行は長年、取引先企業との関係維持などを目的として、多くの企業株式を保有してきました。
京都企業には大きく成長した会社が多く、株式価値の上昇によって京都FGは強固な財務基盤を築いてきました。
しかし現在は、その政策保有株式を縮減する方向へ大きく転換しています。
2026~2028年度の中期経営計画では、2024年度下期から2028年度までに時価3,000億円以上を縮減する目標を掲げています。
売却によって生まれた資本を、
- ベンチャー投資
- M&A
- 新規事業
- DX
- 人的資本
- 株主還元
へ再配分する戦略です。
「保有する金融機関」から「資本を循環させる金融グループ」へ長年蓄積した株式資産を持ち続けるだけではなく、売却して得た資金を次世代の地域企業や自社の成長投資へ回す。この資本循環が現在の京都FGの大きな経営テーマです。
「地域みらい共創」|地域そのものを事業として成長させる
新中期経営計画で特に注目したいのが「地域みらい共創」です。
人口減少が続けば、単に個々の企業へ融資するだけでは地域全体の市場縮小を止められません。
そこで京都FG自身が、
- 企業の事業継続
- 後継者問題
- 産業集積
- 不動産開発
- 住宅
- 地域活性化
- ベンチャー育成
などへ積極的に関与する方向です。
これは従来の地方銀行より一歩踏み込んだ考え方です。
「地域が成長した結果、銀行も成長する」のを待つのではなく、
地域の成長そのものを金融グループが共につくる
ことを目指しています。

京都FGの企業文化|「支える」から「変える」へ
ここまでを見ると、京都FGの企業文化が現在変化していることが分かります。
昔から変わらないものは、
「地域社会の繁栄に奉仕する」
という理念です。
一方、その理念を実現する方法は大きく変わっています。
| 従来 | 現在・今後 |
|---|---|
| 銀行中心 | 金融グループ全体 |
| 預金・融資 | 総合ソリューション |
| 金融 | 金融+非金融 |
| 企業支援 | 地域全体の共創 |
| 既存顧客への対応 | ベンチャー・新産業への投資 |
| 店舗中心 | デジタル+リアル |
「地域社会の繁栄に奉仕する」という理念を守るために、会社の形そのものを変えようとしているのです。
「全員活躍」と挑戦する企業風土
2026年の中期経営計画では、人材戦略について「京都フィナンシャルグループ『全員活躍』」を掲げています。
会社は、
- 戦略部門への人材再配置
- 専門人材の育成
- 人事制度改革
- 成果・貢献に見合う処遇
- ウェルビーイング
- ダイバーシティ
- エンゲージメント
などを進める方針です。
そして明確に、
「挑戦する企業風土」
の醸成を掲げています。
これは3つの行動指針にある「変革へ挑戦」ともつながります。
2026年3月期業績|純利益967億円
金融機関の場合、一般企業の「売上高」に相当する指標として「経常収益」を使います。
2026年3月期の京都フィナンシャルグループは、経常収益3,667億4百万円、経常利益1,371億82百万円、親会社株主に帰属する当期純利益967億23百万円でした。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 経常収益 | 1,672億58百万円 | 3,667億4百万円 |
| 経常利益 | 509億15百万円 | 1,371億82百万円 |
| 親会社株主帰属純利益 | 365億52百万円 | 967億23百万円 |
| ROE(純資産ベース) | 3.28% | 8.71% |
967億円すべてを通常の収益力と見ない
ここは重要です。
2026年3月期の利益には、政策保有株式の売却による大きな利益が含まれています。
特に任天堂株式の売却益の影響が大きく、会社はその影響を除いた親会社株主帰属利益を概算で450億円と説明しています。
「純利益967億円=毎年稼げる利益」と考えない2026年3月期は政策保有株式の売却による一時的な利益が大きく含まれています。京都FGの本来の収益力を見る場合は、貸出金利息、手数料収益、コア業務純益なども確認する必要があります。
2027年3月期1Q|貸出金利息増加で大幅増益
2026年7月31日に発表された2027年3月期第1四半期では、経常収益648億97百万円、経常利益278億31百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益202億56百万円となりました。
| 項目 | 2027年3月期1Q | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 経常収益 | 648億97百万円 | +22.9% |
| 経常利益 | 278億31百万円 | +57.7% |
| 親会社株主帰属四半期純利益 | 202億56百万円 | +55.8% |
金利上昇による貸出金利息の増加などが業績を押し上げています。
2027年3月期会社予想|純利益520億円
2026年5月時点の会社予想では、2027年3月期の連結親会社株主帰属純利益を520億円としています。
前年度の967億円からは減益に見えます。
しかし前年度には任天堂株式などの政策保有株式売却益が大きく含まれています。
会社は、任天堂株式売却の影響を除いた2025年度の概算純利益450億円と比較すると、実質的には約70億円の増益を見込んでいると説明しています。
銀行業績は金利によって大きく変わります京都FGの収益は、政策金利、預金金利、貸出金利、有価証券市場、企業倒産、株式市場などの影響を受けます。会社予想は確定値ではありません。
新中期経営計画|「京都・関西の成長を日本の力に。」
2026年4月から新しい中期経営計画がスタートしました。
名称は、
「京都・関西の成長を日本の力に。京都FGの挑戦!」
です。
計画期間は2026年4月から2029年3月までの3年間です。
3つの主要戦略
- トータルソリューション戦略:顧客の課題全体をグループで解決
- 地域成長・共創戦略:地域全体の課題を解決し、新しい収益源を作る
- 不断の最適化戦略:事業・人材・資本・業務を継続的に見直す
2028年度目標|純利益900億円以上
新中期経営計画では、2028年度に次の目標を掲げています。
| 指標 | 2028年度目標 |
|---|---|
| ROE(純資産ベース) | 8%以上 |
| ROE(株主資本ベース) | 16%以上 |
| 親会社株主帰属利益 | 900億円以上 |
| OHR | 40%台 |
| ベンチャー中心の成長投資 | 純増1,000億円以上 |
| IT・DX投資 | 150億円以上 |
| 人的資本投資 | 70億円以上 |
10年後は「価値創造グループ」へ
京都FGが10年後に目指しているのは、
「すべてのステークホルダーと共に持続的な成長の好循環を創出する価値創造グループ」
です。
単に資産規模の大きな地方銀行になることではありません。
人口減少や少子高齢化など地域全体の問題へ向き合い、金融領域に限定しない解決策を提供することで、地域そのものを成長させようとしています。
京都FGの平均年収|約842万円
2026年3月期の有価証券報告書によると、京都フィナンシャルグループ単体の平均年間給与は841万5,000円です。
| 項目 | 2026年3月31日現在 |
|---|---|
| 単体従業員数 | 271人 |
| 平均年齢 | 42.9歳 |
| 平均勤続年数 | 16.7年 |
| 平均年間給与 | 8,415,000円 |
ただし、この数字を見るときには注意が必要です。
271人のうち270人は京都銀行との兼務者です。
したがって「京都フィナンシャルグループで働くすべての人の平均年収」と考えるのは適切ではありません。
京都銀行は平均約712万円
有価証券報告書では、グループ内で最大の従業員数を持つ京都銀行についても数値が開示されています。
| 項目 | 京都銀行 |
|---|---|
| 従業員数 | 3,314人 |
| 平均年齢 | 39.1歳 |
| 平均勤続年数 | 14.3年 |
| 平均年間給与 | 7,115,000円 |
就職目的なら京都銀行の給与も確認京都フィナンシャルグループの新卒・キャリア採用は主に京都銀行で実施されています。一般的な銀行員としての給与水準を知りたい場合は、持株会社271人だけでなく京都銀行3,314人の平均年間給与も確認する方が実態を把握しやすくなります。
京都企業全体の給与水準については、京都企業の年収ランキング|任天堂・京セラ・村田製作所など給与水準を比較も参考になります。
京都FGへの就職・転職|「銀行員」だけではなくなっている
京都フィナンシャルグループの仕事は、従来の銀行員のイメージよりかなり広がっています。
| 分野 | 主な仕事 |
|---|---|
| 法人営業 | 融資・経営課題・事業承継・海外進出など |
| 個人営業 | 住宅ローン・資産形成・相続など |
| M&A | 企業買収・売却・事業承継 |
| 投資 | ベンチャー・ファンド・成長企業支援 |
| コンサルティング | 経営戦略・人材・DXなど |
| 証券・資産運用 | 投資商品・資産形成支援 |
| IT・DX | AI・データ活用・デジタルサービス開発 |
| 市場・運用 | 債券・株式・市場運用・リスク管理 |
| 管理部門 | 経営企画・財務・人事・法務・監査など |
京都FGに向いている人は?
相性がよい可能性がある人
- 京都・関西の地域経済に関わりたい人
- 企業経営の相談に乗る仕事がしたい人
- 金融だけでなくM&A・DX・投資にも興味がある人
- 人との信頼関係を長期的に築ける人
- 地域企業の成長を支援したい人
- 新しい金融サービスへ挑戦したい人
- 社会課題とビジネスを結びつけたい人
- データ・AIなど新技術を金融へ応用したい人
慎重に考えた方がよい人
- 人や企業とのコミュニケーションを避けたい人
- 金融規制やコンプライアンスを煩わしいと感じる人
- 継続的な資格取得・学習を避けたい人
- 成果や顧客価値への意識を持ちたくない人
- 組織変革や新しい業務への対応が苦手な人
京都企業への転職については、京都の大企業転職ガイド|任天堂・京セラなど人気企業の特徴と難易度も参考になります。
京都FG株を投資視点で見るポイント
京都フィナンシャルグループは東京証券取引所プライム市場に上場しています。
証券コードは5844です。
投資で確認したいポイント
- 貸出金利息
- 預貸金利ざや
- 政策金利
- 預金獲得競争
- コア業務純益
- 役務取引等利益
- ROE
- 自己資本比率
- 政策保有株式の縮減
- ベンチャー投資・M&A
- 京都銀行以外のグループ事業収益
- 信用コスト
- 株主還元
- 地域経済・人口動態
2026年3月期は年間180円配当
2026年3月期の年間配当は180円でした。
内訳は普通配当80円に加え、政策保有株式売却などを踏まえた特別配当100円です。
2027年3月期については、年間105円を会社が予想しています。
新中期経営計画では、総還元性向50%以上を基本とする株主還元方針を掲げています。
投資に関する注意この記事は京都フィナンシャルグループや京都企業を理解するための一般的な企業研究記事です。特定銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。銀行株は金利、信用コスト、債券・株式市場などの影響を受けます。投資判断を行う場合は、最新の公式IR・決算資料をご確認ください。
京都企業として見る京都FG|「企業を作る側」を支える会社
これまで日本文化ラボでは、京都を代表する企業として、
任天堂。
京セラ。
村田製作所。
オムロン。
島津製作所。
SCREEN。
ローム。
ニデック。
TOWA。
などを見てきました。
これらは自ら技術や商品を生み出す会社です。
一方、京都フィナンシャルグループの立ち位置は異なります。
企業へ資金を供給する。
企業同士をつなぐ。
事業承継を助ける。
海外進出を支援する。
ベンチャーへ投資する。
つまり、
京都企業が成長するための金融・経営インフラを支える会社
です。
その意味では、京都企業群を理解するうえで京都FGは欠かせない存在です。
京都FGの企業文化は「伝統を守るために変革する」
京都フィナンシャルグループは2023年設立なので、会社としては新しい企業です。
しかし経営理念は京都銀行から受け継いでいます。
変わらないものは、
「地域社会の繁栄に奉仕する」
という使命です。
変わっているのは、その実現方法です。
銀行から金融グループへ。
金融から非金融へ。
融資から総合ソリューションへ。
企業支援から地域共創へ。
伝統的な経営理念を守るために、会社の形や仕事を変え続けています。
この構造は、実は京都の他の企業にも共通します。
NISSHAは印刷技術を別産業へ。
任天堂は花札からゲームへ。
島津製作所は理化学器械から世界的分析計測企業へ。
京都FGも同じように、
変わらない理念を守るため、事業の形を変える会社
と見ることができます。
企業文化シリーズで見る京都フィナンシャルグループ
| 企業 | 企業文化・強み | 関連記事 |
|---|---|---|
| 任天堂 | Nintendo DNA・独創 | 任天堂の記事 |
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よくある質問
京都フィナンシャルグループは何の会社ですか?
京都銀行を中核とする銀行持株会社です。銀行、証券、コンサルティング、ベンチャー投資、リース、M&A、事業再生などをグループで展開しています。
京都銀行と京都フィナンシャルグループは同じですか?
別会社です。京都フィナンシャルグループが持株会社で、京都銀行はその傘下で銀行業務を担う中核企業です。
京都フィナンシャルグループはいつ設立されましたか?
2023年10月2日です。ただし中核の京都銀行は1941年創立で、前身の丹和銀行から80年以上の歴史があります。
京都FGの企業文化を表す言葉は?
経営理念は「地域社会の繁栄に奉仕する」です。行動指針として「誠実に向き合う」「志を高く」「変革へ挑戦」を掲げています。
「新しい波を起こせ。」とは何ですか?
京都フィナンシャルグループのブランドメッセージです。小さな変化を波紋のように広げ、お客さま・地域社会・株主などへ新しい価値を生み出していく考え方を表しています。
京都FGの強みは?
京都銀行が築いた広域な顧客基盤、京都・関西の企業とのリレーション、M&Aや資産運用などの専門人材、政策保有株式などから築いた財務基盤、グループ会社を使った総合ソリューション力などが主な強みです。
京都FGの平均年収はいくらですか?
2026年3月期の有価証券報告書では、京都フィナンシャルグループ単体の平均年間給与は841万5,000円です。ただし271人のうち270人が京都銀行との兼務者です。京都銀行は平均711万5,000円となっています。
京都FGの最新純利益はいくらですか?
2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益は967億23百万円です。ただし任天堂株式など政策保有株式の売却益が大きく含まれているため、通常の収益力とは分けて見る必要があります。
京都FGの将来性は?
「金利のある世界」で貸出収益の改善が期待できるほか、M&A、事業承継、ベンチャー投資、DX、地域開発など金融以外の成長機会があります。一方、人口減少、預金獲得競争、信用コスト、金利・市場変動などはリスクです。
まとめ|京都FGの企業文化は「地域を支える」から「地域を共につくる」へ
京都フィナンシャルグループは2023年10月に設立された会社です。
企業としての歴史だけを見れば、新しい京都企業です。
しかし、その企業文化は1941年に始まった京都銀行から受け継がれています。
中心にあるのが、
「地域社会の繁栄に奉仕する」
という経営理念です。
丹和銀行から京都銀行へ。
京都府北部から京都市へ。
京都から大阪、滋賀、奈良、兵庫、愛知、東京へ。
銀行から金融グループへ。
事業の形は大きく変わってきました。
現在はさらに、銀行だけでは解決できない地域課題へ対応するため、
証券。
コンサルティング。
M&A。
ベンチャー投資。
リース。
事業再生。
DX。
などへ事業を広げています。
企業文化を表す3つの行動指針は、
「誠実に向き合う」。
「志を高く」。
「変革へ挑戦」。
そしてブランドメッセージは、
「新しい波を起こせ。」
です。
この「変革」が現在の京都FGを理解する重要な言葉です。
地域金融機関の市場は、人口減少によって自然に成長する時代ではありません。
そこで京都FGは、地域経済が縮小するのを見守るのではなく、地域企業の成長、事業承継、ベンチャー育成、地域開発へ自ら関わろうとしています。
2026年から始まった新中期経営計画では、
「京都・関西の成長を日本の力に。」
という方向を明確にしました。
10年後に目指すのは「価値創造グループ」です。
地域の企業へお金を貸す金融機関から、地域の未来を一緒につくるグループへ。
それは一見すると大きな変化です。
しかし根本にある理念は変わっていません。
地域が成長する。
企業が成長する。
働く人が豊かになる。
その結果として金融グループ自身も成長する。
地域との共存ではなく、地域と成長する。
そこに京都フィナンシャルグループの「地域社会の繁栄に奉仕する」という企業文化を見ることができます。
この記事の要点
- 京都フィナンシャルグループは2023年10月2日設立
- 京都銀行を中核とする東証プライム上場の金融グループ
- 証券コードは5844
- 京都銀行のルーツは1941年の丹和銀行
- 1951年に京都銀行へ改称
- 経営理念は「地域社会の繁栄に奉仕する」
- 行動指針は「誠実に向き合う」「志を高く」「変革へ挑戦」
- ブランドメッセージは「新しい波を起こせ。」
- 銀行から「総合ソリューション企業」へ転換
- M&A・投資・コンサルティング・リースなどへ領域を拡大
- 2026年から「京都・関西の成長を日本の力に。」を推進
- 10年後に「価値創造グループ」を目指す
- 政策保有株式3,000億円以上の縮減を目標
- 2028年度純利益900億円以上を目標
- 2026年3月期純利益は967億23百万円
- ただし政策保有株式売却益を大きく含む
- 2027年3月期1Q純利益は202億56百万円
- 京都FG単体の平均年間給与は841万5,000円
- 京都銀行の平均年間給与は711万5,000円
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ご利用にあたっての注意この記事は2026年9月3日時点で確認できる京都フィナンシャルグループ、京都銀行の公式サイト、公式IR資料、有価証券報告書、中期経営計画などをもとに作成しています。業績予想、平均年間給与、店舗数、政策保有株式、株主還元、採用情報などは変更される場合があります。就職・転職・投資などの判断を行う場合は、必ず最新の公式情報をご確認ください。

