京都企業の企業文化シリーズ「GSユアサ」個別分析ページです。GSユアサは、京都市南区に本社を置く世界的な蓄電池・電源システム企業です。自動車用鉛蓄電池、リチウムイオン電池、産業用蓄電システムから、国際宇宙ステーションやH3ロケットなど極限環境で使われる特殊電池まで幅広く展開しています。
この記事では、GSユアサの企業文化を象徴する「革新と成長」、二代目島津源蔵の「科学を実用に」、湯淺七左衛門の「事業は人である」という2つの創業者精神、電池技術の強み、最新業績、年収、就職・転職、Vision 2035、将来性まで企業研究に役立つ形で整理します。
こんにちは。日本文化ラボ(Nippon Culture Lab)、運営者の「samuraiyan(さむらいやん)」です。
京都企業の企業文化を見ていくと、それぞれの会社を象徴する独自の言葉があります。
京セラには「アメーバ経営」。
オムロンには「SINIC理論」。
SCREENには「思考展開」。
堀場製作所には「おもしろおかしく」。
ワコールには「相互信頼」。
ニデックには「三大精神」。
そしてGSユアサには、「革新と成長」という企業理念があります。
一見すると、一般的な企業理念にも見えるかもしれません。
しかしGSユアサの歴史をたどると、この言葉には100年以上続く2つの企業文化が重なっていることが分かります。
一つは、二代目島津源蔵が大切にした、
「科学を実用に」
という発明家精神です。
もう一つは、湯淺七左衛門が大切にした、
「事業は人である」
という事業家精神です。
科学技術を社会で実際に役立つ製品へ変える。
そして、その技術を事業として育てるのは人である。
この2つのDNAが2004年の経営統合によって一つになり、現在のGSユアサにつながっています。
GS側の歴史は1895年までさかのぼります。
島津製作所創業者の長男である二代目島津源蔵が、日本で初めて鉛蓄電池を製造しました。
1917年には日本電池株式会社を設立。
一方、湯淺七左衛門は1913年から金属の電解科学研究を始め、1918年に湯淺蓄電池製造株式会社を設立します。
約90年間にわたり競い合ってきた両社が、2004年に経営統合。
現在の株式会社ジーエス・ユアサ コーポレーションが誕生しました。
現在では、自動車やオートバイだけでなく、発電所、データセンター、再生可能エネルギー、鉄道、航空機、潜水艦、深海探査、人工衛星、宇宙ステーションまで、社会のさまざまな場所でGSユアサの電池が使われています。
つまりGSユアサは、単なる「自動車バッテリー会社」ではありません。
電気を蓄え、必要なときに安全・確実に届ける「エネルギー・デバイス企業」です。
この記事では、そんなGSユアサを企業文化、歴史、技術、業績、働き方、将来性から詳しく見ていきます。
この記事でわかること
- GSユアサとGSユアサ コーポレーションの違い
- 日本電池とユアサが経営統合した歴史
- 「GS」という名前の由来
- 企業文化「革新と成長」とは何か
- 「科学を実用に」と「事業は人である」の意味
- GSユアサの「開拓精神」とは何か
- 自動車用鉛蓄電池が今も重要な理由
- リチウムイオン電池の強み
- 宇宙・深海・防衛分野で採用される理由
- AIデータセンター・ESSが成長分野になる理由
- 2026年3月期と2027年3月期1Qの最新業績
- Vision 2035と第七次中期経営計画
- GSユアサの平均年収
- 就職・転職先として見るポイント
- 投資で確認したいポイント
- GSユアサとは?京都発の世界的な蓄電池メーカー
- GSユアサ コーポレーションの会社概要
- GSユアサの歴史|日本の蓄電池を築いた2つの企業
- 2004年|ライバルだったGSとYUASAが経営統合
- GSユアサの企業文化「革新と成長」とは?
- GSユアサの企業文化を支える「開拓精神」
- トップダウンだけではない|「現場」を大切にする文化
- 企業文化の変化|自律型人材と多様性を重視
- GSユアサの強み1|100年以上蓄積した「電気を蓄える」技術
- GSユアサの強み2|鉛蓄電池は今も世界で必要
- GSユアサの強み3|リチウムイオン電池を早期から実用化
- Hondaと次世代BEV用電池を共同開発
- GSユアサの強み4|宇宙・深海という極限環境
- GSユアサの強み5|社会インフラを支える電源システム
- AIデータセンターが新しい成長市場
- 再生可能エネルギーとESSも成長分野
- GSユアサの最新業績|2026年3月期は過去最高水準
- 2027年3月期1Q|売上7.5%増・営業利益39.3%増
- 2027年3月期の会社予想|売上高6,800億円
- Vision 2035|4つの「Re」で次の100年へ
- 第七次中期経営計画|モビリティと社会インフラの2軸へ
- GSユアサの将来性1|AIデータセンター
- GSユアサの将来性2|再生可能エネルギーと系統用蓄電池
- GSユアサの将来性3|航空・宇宙・防衛
- GSユアサの年収|持株会社と事業会社で分けて見る
- GSユアサへの就職|「電池会社」より職種は広い
- GSユアサに向いている人は?
- 年間休日126日|働き方も確認
- GSユアサ株を投資視点で見るポイント
- 京都企業として見るGSユアサ|島津製作所から広がった科学技術の系譜
- 企業文化シリーズで見るGSユアサ
- よくある質問
- まとめ|GSユアサの企業文化は「科学を社会で役立て続ける」こと
GSユアサとは?京都発の世界的な蓄電池メーカー
GSユアサは、京都市南区吉祥院に本社を置く蓄電池・電源システムメーカーです。
ただし「GSユアサ」という名前で企業を調べると、2つの会社名が出てきます。
ここを最初に整理しておきましょう。
| 会社 | 役割 |
|---|---|
| 株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーション | グループ全体の経営戦略を策定・統括する持株会社。東証プライム上場。 |
| 株式会社 GSユアサ | 自動車用・産業用電池、リチウムイオン電池、電源システムなどを製造・販売する中核事業会社。 |
記事タイトルは「GSユアサ」でOK一般ユーザーが企業について調べる場合は「GSユアサ」が最も自然です。一方、株式・連結決算・有価証券報告書では、上場会社である「株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーション」の情報を確認する必要があります。
GSユアサ コーポレーションの会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーション |
| 英文名 | GS Yuasa Corporation |
| 設立 | 2004年4月1日 |
| 本社 | 京都市南区吉祥院西ノ庄猪之馬場町1番地 |
| 代表取締役社長 CEO | 阿部貴志氏 |
| 資本金 | 528億円 |
| グループ従業員数 | 12,562人(2026年3月31日現在) |
| 2026年3月期売上高 | 6,089億95百万円 |
| 証券コード | 6674 |
| 上場市場 | 東京証券取引所プライム市場 |
| 企業理念 | 革新と成長 |
GSユアサの歴史|日本の蓄電池を築いた2つの企業
現在のGSユアサは2004年に誕生した会社ですが、その技術の歴史は100年以上あります。
母体となったのは、
- 日本電池(GS)
- ユアサ コーポレーション(YUASA)
の2社です。
1895年|二代目島津源蔵が日本初の鉛蓄電池を製造
GS側のルーツで最も重要な人物が、二代目島津源蔵です。
初代島津源蔵、つまり島津製作所創業者の長男として1869年に生まれました。
1895年には、日本で初めて鉛蓄電池を製造します。
その後も蓄電池の改良を続け、1920年には「易反応性鉛粉製造法」を発明しました。
この技術は鉛蓄電池の性能向上に大きく貢献しました。
1930年には日本の「十大発明家」の一人にも選ばれています。
島津源蔵が大切にした考え方が、
「科学を実用に」
です。
研究だけで終わらせるのではなく、科学技術を製品にし、社会で役立てる。
これは現在のGSユアサの技術文化にもつながっています。
島津製作所については、島津製作所とは?京都発の精密機器メーカーの歴史・強み・将来性を解説もあわせて読むと、京都の科学技術企業のつながりが分かりやすくなります。
「GS」の意味は源蔵・島津のイニシャル
「GSユアサのGSって何?」と疑問に思う方もいるでしょう。
GSは、二代目島津源蔵の英字表記、
Genzo Shimadzu
の頭文字に由来します。
1908年から「GS」という商標が使われるようになり、その後、日本電池のブランドとして定着しました。
1917年|日本電池を設立
1917年、島津源蔵は日本電池株式会社を設立します。
1919年には自動車用電池の製造を開始。
さらにアルカリ電池、リチウムイオン電池などへ技術を広げていきました。
1918年|湯淺七左衛門が蓄電池会社を設立
もう一つのルーツがYUASAです。
十二代目・湯淺七左衛門は1913年に金属の電解科学に関する研究を開始。
1915年には蓄電池の生産に着手し、1918年に湯淺蓄電池製造株式会社を設立しました。
湯淺七左衛門は発明家というより、事業機会を見抜いて素早く行動する企業家として評価されています。
その経営哲学を象徴する言葉が、
「事業は人である」
です。
技術だけでは会社は成長しない。
人を育て、人が力を発揮することで事業は発展する。
この考え方も、現在のGSユアサの企業文化へ受け継がれています。
2004年|ライバルだったGSとYUASAが経営統合
長年にわたって日本の蓄電池市場で競い合ってきた日本電池とユアサ コーポレーション。
その2社が2004年4月1日に経営統合しました。
そこで誕生したのが、現在の株式会社ジーエス・ユアサ コーポレーションです。
GSユアサのDNA
- GS:発明家精神「科学を実用に」
- YUASA:事業家精神「事業は人である」
- 現在:企業理念「革新と成長」
技術を極める力。
事業として育てる力。
この2つを組み合わせたところにGSユアサの企業文化の特徴があります。

GSユアサの企業文化「革新と成長」とは?
GSユアサの企業理念は、
「革新と成長」
です。
公式には、
社員と企業の「革新と成長」を通じ、人と社会と地球環境に貢献する。
という考え方を掲げています。
ここでいう「革新」は、まったく新しい発明だけを意味していません。
- 新しい製品を開発する
- 既存技術を組み合わせる
- 製造方法を改善する
- 仕事の方法を変える
- 新しいビジネスモデルを作る
- 日々、小さな改善を続ける
これらもすべて「革新」です。
「革新と成長」を簡単にいうと新しい価値を生み出すことで社会へ貢献し、その結果として社員と会社自身も成長するという考え方です。
GSユアサの企業文化を支える「開拓精神」
採用情報でも繰り返し登場する言葉が「開拓精神」です。
日本電池の島津源蔵は、日本にまだ十分な蓄電池産業がなかった時代に技術を開拓しました。
湯淺七左衛門も、新しい産業の可能性を見抜き、蓄電池事業へ進出しました。
両者に共通していたのは、
「前例がないからやらない」
ではなく、
「社会に必要なら、自分たちで切り開く」
という姿勢です。
現在のGSユアサも、リチウムイオン電池、宇宙用電池、次世代蓄電池、系統用蓄電システムなどで新しい市場へ挑戦しています。
トップダウンだけではない|「現場」を大切にする文化
GSユアサの採用情報では、「価値を生む源泉は現場にある」という考え方も紹介されています。
社員が自ら問題を発見し、自ら解決方法を考えて行動する「自律型人材」の育成を重視しています。
また、トップダウンだけでなく、現場から提案して進めるボトムアップの文化も掲げています。
「革新」を研究所だけの仕事にせず、製造・営業・管理部門を含めて社員一人ひとりの改善につなげている点が特徴です。
企業文化の変化|自律型人材と多様性を重視
現在のGSユアサでは、人材戦略にも変化が見られます。
企業理念「革新と成長」を実現するため、
- 自律型人材の育成
- 多様性の受容と尊重
- キャリア自律
- 社員同士のつながり
- 仕事とライフイベントの両立
などを重視しています。
ダイバーシティ施策では「3つのL」というスローガンも掲げています。
100年以上続く製造業ですが、人材面では従来型の企業文化だけを守るのではなく、個人の主体性と多様性を活かす方向へ進んでいます。
GSユアサの強み1|100年以上蓄積した「電気を蓄える」技術
GSユアサ最大の強みは、蓄電池を100年以上研究・製造してきた技術蓄積です。
現在扱っている電池も一種類ではありません。
- 鉛蓄電池
- リチウムイオン電池
- アルカリ蓄電池
- 特殊用途電池
- 宇宙・航空・防衛用途電池
さらに、電池単体だけでなく、
- バッテリーマネジメントシステム
- UPS
- 電源設備
- ESS
- 監視システム
- メンテナンス
まで提供できます。
「電池を作る会社」から、電力を安全に蓄え、制御し、使うシステム全体を提供する会社へ進化しています。
GSユアサの強み2|鉛蓄電池は今も世界で必要
EVの普及を考えると、「鉛蓄電池は古い技術なのでは?」と思うかもしれません。
しかし実際には、鉛蓄電池は現在も自動車やオートバイ、非常用電源などで大量に使われています。
GSユアサの公式採用情報では、自動車用鉛蓄電池で世界第2位、オートバイ用では世界トップクラスのシェアを持つとしています。
さらにEVやHEVでも、駆動用の大容量リチウムイオン電池とは別に、電子機器などへ電力を供給する12V補機電池が必要です。
そのため、自動車の電動化がそのまま「鉛蓄電池不要」を意味するわけではありません。
リサイクルしやすい点も鉛蓄電池の特徴
鉛蓄電池は、鉛など主要材料を回収し再資源化できる循環性の高い製品です。
GSユアサでは3R、つまりリデュース・リユース・リサイクルという観点でも鉛蓄電池を重要な技術資産として位置づけています。
GSユアサの強み3|リチウムイオン電池を早期から実用化
GSユアサは、リチウムイオン電池でも長い技術蓄積があります。
1993年には角形リチウムイオン電池を開発。
その後、車載用大型リチウムイオン電池へ展開しました。
公式採用情報では、EV用リチウムイオン電池を世界で初めて量産化した実績を紹介しています。
現在は、
- HEV
- PHEV
- BEV
- 12Vリチウムイオン電池
- 定置用蓄電
- 航空・宇宙
など用途ごとに異なる電池を開発しています。
Hondaと次世代BEV用電池を共同開発
2023年には本田技研工業と共同で「Honda・GS Yuasa EV Battery R&D」を設立しました。
高容量・高出力なリチウムイオン電池を研究・開発する会社です。
GSユアサは2027年度からBEV用電池の生産ライン稼働を目指しています。
ただし、BEV市場は当初想定より成長速度が鈍化しており、会社自身も市場環境や採算性を見ながら慎重に事業を進めています。
BEVなら必ず成長するわけではないGSユアサ自身もBEV用電池について、市場動向や競争環境によって計画が変わる可能性をリスクとして開示しています。将来性を見る場合は、技術力だけでなく量産時期・稼働率・収益性も確認する必要があります。
GSユアサの強み4|宇宙・深海という極限環境
GSユアサの技術力を象徴するのが、航空・宇宙・深海分野です。
一般的な自動車より、はるかに厳しい条件で電池が使われます。
国際宇宙ステーション(ISS)では、地球の影に入って太陽光発電ができない時間帯に、蓄電池が生命維持設備などへ電力を供給します。
簡単に交換できない宇宙空間では、高い耐久性と信頼性が必要です。
GSユアサグループの電池は、
- 国際宇宙ステーション
- 人工衛星
- H3ロケット
- イプシロンロケット
- 航空機
- 有人潜水調査船「しんかい6500」
- 海洋機器
などでも採用されています。
「Reliable=信頼できるエネルギー」が強み宇宙や深海では、「電池が少し性能不足」という失敗が許されません。長期間にわたり極限環境で採用されてきた実績は、GSユアサの安全性・品質・信頼性を示す重要な技術資産です。

GSユアサの強み5|社会インフラを支える電源システム
普段は目立ちませんが、GSユアサの製品は社会インフラにも大量に使われています。
- 発電所
- 変電所
- 通信設備
- 鉄道
- 病院
- ビル
- データセンター
- 再生可能エネルギー設備
などです。
停電時でも重要設備を動かすためには、蓄電池やUPSが必要です。
GSユアサは電池を納入して終わりではなく、全国100カ所以上のサービスネットワークなどを活用し、メンテナンスまで含めた事業を展開しています。
AIデータセンターが新しい成長市場
2026年にアップデートされたVision 2035で、新しい成長ドライバーとして注目されているのがAIデータセンターです。
生成AIの普及によって、大規模なデータセンターが世界中で建設されています。
データセンターは24時間停止できません。
瞬間的な停電であってもサーバーやデータへ重大な影響を及ぼす可能性があります。
そこでUPSやバックアップ電源が不可欠になります。
GSユアサが100年以上培ってきた「電気を確実に蓄え、必要な瞬間に供給する」技術が、そのままAI時代のインフラと結びついています。

再生可能エネルギーとESSも成長分野
太陽光や風力は、天候によって発電量が変化します。
再生可能エネルギーを大量導入するには、余った電気を蓄え、必要なときに放電するESS(エネルギー貯蔵システム)が重要になります。
GSユアサは2026年8月31日、茨城県に次世代の国産定置用蓄電システム製造工場を開設すると発表しました。
2028年10月の供給開始を予定し、生産規模は年間2GWhです。
事業総額は約703億円。
リチウムイオン電池セルから制御システムまで国内で生産し、日本の電力ネットワークやエネルギー安全保障にも貢献する計画です。
GSユアサの最新業績|2026年3月期は過去最高水準
2026年3月期のGSユアサグループは、売上高6,089億95百万円、営業利益601億72百万円でした。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 5,803億40百万円 | 6,089億95百万円 |
| 営業利益 | 500億28百万円 | 601億72百万円 |
| 営業利益率 | 約8.6% | 約9.9% |
| 経常利益 | 463億45百万円 | 582億29百万円 |
| 親会社株主帰属純利益 | 304億16百万円 | 418億63百万円 |
| ROE | 9.0% | 11.3% |
売上だけでなく利益率も改善しており、従来の「規模を拡大する会社」から「収益性も高める会社」へ変わろうとしていることが分かります。
2027年3月期1Q|売上7.5%増・営業利益39.3%増
2026年8月5日に発表された2027年3月期第1四半期も増収増益でした。
| 項目 | 2027年3月期1Q | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,417億34百万円 | +7.5% |
| 営業利益 | 115億78百万円 | +39.3% |
| 経常利益 | 120億99百万円 | +42.8% |
| 親会社株主帰属四半期純利益 | 75億58百万円 | +15.7% |
主にモビリティ事業の販売増加が寄与しました。
2027年3月期の会社予想|売上高6,800億円
2026年8月5日時点の会社予想は次の通りです。
| 項目 | 2027年3月期会社予想 |
|---|---|
| 売上高 | 6,800億円 |
| 営業利益 | 630億円 |
| 経常利益 | 610億円 |
| 親会社株主帰属純利益 | 395億円 |
| 年間配当予想 | 98円 |
業績予想は確定値ではありません地政学リスク、原材料価格、為替、自動車需要、電池市場、エネルギー政策などによって実績は変動します。特にGSユアサは鉛価格や為替の影響も受けるため、最新IRの確認が必要です。
Vision 2035|4つの「Re」で次の100年へ
GSユアサは、長期ビジョンとして「Vision 2035」を掲げています。
キーワードは4つの「Re」です。
| キーワード | 意味 |
|---|---|
| Reborn | 100年事業を実現した創業者精神を呼び起こす |
| Renewable | カーボンニュートラル実現へ貢献 |
| Reliable | 技術革新にこだわり、信頼できるエネルギーを届け続ける |
| Respect | 持続可能な社会への取り組みを尊重し社会に貢献 |
特にGSユアサらしいのが「Reborn」です。
未来へ進むために、単に過去を捨てるのではありません。
島津源蔵と湯淺七左衛門が持っていた開拓精神をもう一度呼び起こし、次の100年に使おうという考え方です。
第七次中期経営計画|モビリティと社会インフラの2軸へ
2026年度から2028年度までの第七次中期経営計画では、事業を大きく、
- モビリティ
- 社会インフラ
の2つで捉えています。
モビリティでは、自動車用鉛蓄電池など既存事業から安定的にキャッシュを生み出します。
一方、社会インフラでは、ESS、AIデータセンター、航空・宇宙・防衛などへ積極投資します。
| 指標 | 2026年3月期実績 | 2029年3月期目標 |
|---|---|---|
| 売上高 | 6,090億円 | 7,200億円 |
| 営業利益 | 602億円 | 650億円 |
| ROE | 11.3% | 9%以上 |
| ROIC | 10.7% | 9%以上 |
さらに第八次中期経営計画では、2032年3月期に売上高8,000億円、営業利益750億円を目標としています。
GSユアサの将来性1|AIデータセンター
今後の成長で特に注目したいのがAIデータセンターです。
生成AIの利用が拡大するほど、サーバーを置くデータセンターが増えます。
データセンターには常に電力が必要で、停電対策として高信頼なUPS・蓄電池システムが不可欠です。
長年、通信・ビル・発電所などで非常用電源を供給してきたGSユアサには大きな事業機会があります。
GSユアサの将来性2|再生可能エネルギーと系統用蓄電池
太陽光・風力発電を拡大すると、電力の需給調整が難しくなります。
そこで大量の電気を蓄える系統用蓄電池が必要になります。
GSユアサはESSを今後の成長領域と位置づけています。
2026年に発表した茨城県の新工場も、その需要拡大へ備える投資です。
GSユアサの将来性3|航空・宇宙・防衛
Vision 2035のアップデートでは、航空・宇宙・防衛も成長分野として明確になりました。
防衛関連市場の拡大に加え、宇宙開発、潜水艦、航空機などで特殊電池の需要増加を見込んでいます。
GSユアサは、一般市場では価格競争が起こりやすい電池でも、極限環境では「絶対に止まらない信頼性」という高い付加価値を提供できます。
これは他社との差別化につながる分野です。
GSユアサの年収|持株会社と事業会社で分けて見る
「GSユアサ 年収」を検索するときは、ここが非常に重要です。
2026年3月期の有価証券報告書では、持株会社と株式会社GSユアサの平均年間給与がそれぞれ確認できます。
| 項目 | GSユアサ コーポレーション | 株式会社GSユアサ |
|---|---|---|
| 従業員数 | 18人 | 2,623人 |
| 平均年齢 | 52.1歳 | 42.2歳 |
| 平均勤続年数 | 26.4年 | 17.0年 |
| 平均年間給与 | 10,910,113円 | 8,142,305円 |
持株会社は約1,091万円です。
ただし、従業員数はわずか18人で、株式会社GSユアサからの出向者で構成されています。
一般的な「GSユアサ社員の給与」を知りたい場合は、実際の事業会社である株式会社GSユアサの約814万円を見る方が参考になります。
「GSユアサの年収は1,091万円」とだけ書くのは不正確1,091万円は持株会社18人の平均年間給与です。株式会社GSユアサは2,623人で平均814万2,305円です。就職・転職では応募する会社・職種の給与条件を確認してください。
京都企業全体の給与水準を比較したい方は、京都企業の年収ランキング|任天堂・京セラ・村田製作所など給与水準を比較も参考になります。
GSユアサへの就職|「電池会社」より職種は広い
GSユアサでは、化学系だけでなく多くの専門分野の人材が働いています。
| 分野 | 主な仕事 |
|---|---|
| 化学・材料 | 電極、電解液、材料、次世代電池など |
| 電気電子 | 電池システム、電源装置、回路、制御など |
| 機械 | バッテリー構造、機構、製造設備など |
| 情報・AI | 遠隔監視、AI解析、計算化学、ITシステムなど |
| 生産技術 | 量産設備、自動化、工程改善など |
| 品質保証 | 電池・電源システムの品質、安全、信頼性など |
| 営業 | 自動車、産業、海外、電力市場などへの技術提案 |
| 管理部門 | 経理財務、法務、知財、調達、人事など |
GSユアサに向いている人は?
向いている可能性がある人
- 電池・エネルギーに興味がある人
- 化学・材料・電気・機械の専門性を活かしたい人
- 社会インフラを支える製品を作りたい人
- 長期的な研究開発に取り組みたい人
- 安全性・品質を重視する仕事が好きな人
- 前例のない技術へ挑戦したい人
- 自分から課題を見つけ提案したい人
- グローバルに働きたい人
- 宇宙・航空・深海など特殊分野に関心がある人
慎重に考えた方がよい人
- 一般消費者向け商品だけに関わりたい人
- 長期間の開発や評価を苦手とする人
- 安全・品質に関する細かな確認を避けたい人
- 製造現場や顧客現場との連携を避けたい人
- 専門知識を継続的に学ぶことが苦手な人
年間休日126日|働き方も確認
現在の新卒採用情報では、株式会社GSユアサの年間休日は126日です。
完全週休2日制に加え、GW、夏季、年末年始などの長期休暇があります。
また、一部職場ではフレックスタイム制度も導入されています。
ただし実際の働き方は、研究、製造、営業、サービスなど職種によって異なります。
特に設備・サービス関連では顧客対応を伴う場合もあるため、転職時には募集部署の勤務条件を確認しましょう。
京都の企業への転職については、京都の大企業転職ガイド|任天堂・京セラなど人気企業の特徴と難易度も参考になります。
GSユアサ株を投資視点で見るポイント
株式市場に上場しているのは「株式会社ジーエス・ユアサ コーポレーション」です。
証券コードは6674です。
2026年現在は業績が好調ですが、電池メーカー特有のリスクもあります。
投資で確認したいポイント
- 売上高・営業利益率
- ROE・ROIC
- 国内・海外鉛蓄電池の収益性
- HEV・PHEV用リチウムイオン電池
- BEV用電池の開発・量産進捗
- AIデータセンター向け需要
- ESS・系統用蓄電池の受注
- 航空・宇宙・防衛事業
- 鉛価格
- 為替
- 設備投資と減価償却費
- フリーキャッシュフロー
- PER・PBR
- 配当
配当は2026年3月期90円
2026年3月期の年間配当は90円でした。
2027年3月期は年間98円を会社が予想しています。
第七次中期経営計画ではDOE3%を目安とする累進配当の方針も示しています。
投資に関する注意この記事はGSユアサや京都企業を理解するための一般的な企業研究記事です。特定銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。株式投資には元本割れの可能性があります。投資判断を行う際は、最新のGSユアサ公式IR、決算資料、株価などをご確認ください。
京都企業として見るGSユアサ|島津製作所から広がった科学技術の系譜
GSユアサは、京都企業の歴史を見るうえでも非常に興味深い企業です。
日本電池の創業者・二代目島津源蔵は、島津製作所創業者・初代島津源蔵の長男です。
京都で科学機器を作った島津家から、鉛蓄電池という新しい技術が生まれ、そこから日本電池へ発展しました。
さらに日本電池からは、現在の大日本塗料や三菱ロジスネクストにつながる事業も生まれています。
一つの技術企業から、新しい専門企業が次々に育っていく。
これは近代京都の産業史を考えるうえでも重要な特徴です。
しかも現在のGSユアサは、京都で生まれた蓄電技術を、
- 自動車
- 再生可能エネルギー
- AIデータセンター
- 宇宙
- 深海
- 防衛
まで広げています。
100年以上前の「科学を実用に」という精神が、時代ごとに新しい使い道へ変化していると見ることができます。
京都企業が強い理由については、京都企業はなぜ強い?世界で戦う技術企業が京都に集まる理由もあわせてご覧ください。
企業文化シリーズで見るGSユアサ
| 企業 | 企業文化・強み | 関連記事 |
|---|---|---|
| 任天堂 | Nintendo DNA・独創 | 任天堂の記事 |
| 京セラ | 京セラフィロソフィー・アメーバ経営 | 京セラの記事 |
| オムロン | SINIC理論・制御 | オムロンの記事 |
| 島津製作所 | 科学技術・分析計測 | 島津製作所の記事 |
| ニデック | 三大精神・モータ | ニデックの記事 |
| GSユアサ | 革新と成長・科学を実用に・開拓精神 | この記事 |
よくある質問
GSユアサとGSユアサ コーポレーションは同じ会社ですか?
厳密には別会社です。株式会社ジーエス・ユアサ コーポレーションは上場している持株会社で、株式会社GSユアサは電池・電源システムなどを製造・販売する中核事業会社です。
GSユアサはいつ誕生しましたか?
2004年4月1日に日本電池とユアサ コーポレーションが経営統合して、株式会社ジーエス・ユアサ コーポレーションが設立されました。ただし、技術のルーツは1895年までさかのぼります。
GSユアサの「GS」とは何ですか?
日本電池創業者の二代目島津源蔵を英字表記した「Genzo Shimadzu」の頭文字が由来です。
GSユアサと島津製作所には関係がありますか?
歴史的なつながりがあります。日本電池の創業者・二代目島津源蔵は、島津製作所創業者・初代島津源蔵の長男です。
GSユアサの企業文化を表す言葉は?
企業理念は「革新と成長」です。その源流には、島津源蔵の発明家精神「科学を実用に」と、湯淺七左衛門の事業家精神「事業は人である」があります。
GSユアサの強みは何ですか?
100年以上蓄積してきた鉛蓄電池・リチウムイオン電池技術、安全性・信頼性、モビリティから社会インフラ、宇宙・深海まで幅広い用途へ対応できる技術力が強みです。
GSユアサの平均年収はいくらですか?
2026年3月期では、持株会社のGSユアサ コーポレーションが平均10,910,113円、事業会社の株式会社GSユアサが平均8,142,305円です。一般的な従業員の給与を見る場合は、2,623人が所属する株式会社GSユアサの数字も確認することが重要です。
GSユアサの将来性は?
AIデータセンター、ESS・系統用蓄電池、HEV・PHEV、BEV、航空・宇宙・防衛などが成長機会です。一方、原材料価格、為替、BEV市場の変化、大型設備投資の収益化などには注意が必要です。
まとめ|GSユアサの企業文化は「科学を社会で役立て続ける」こと
GSユアサは、2004年に日本電池とユアサ コーポレーションが経営統合して誕生した京都企業です。
しかし、その技術の歴史は100年以上前までさかのぼります。
1895年、二代目島津源蔵が日本で初めて鉛蓄電池を製造。
1917年には日本電池を設立しました。
その企業文化を象徴するのが、
「科学を実用に」
という発明家精神です。
一方、1918年に湯淺蓄電池製造を設立した湯淺七左衛門は、
「事業は人である」
という事業家精神を大切にしました。
科学と事業。
技術と人。
この2つが2004年に一つとなりました。
現在の企業理念「革新と成長」は、その歴史を現代へ受け継ぐ言葉と見ることができます。
GSユアサの特徴は、古い技術を捨てて新しい技術だけへ移る会社ではないことです。
100年以上前から続く鉛蓄電池を今も改良する。
同時にリチウムイオン電池を開発する。
さらにAIデータセンター、再生可能エネルギー、宇宙・航空・防衛へ用途を広げる。
つまり、変わらないのは「電気を蓄える」という専門性です。
変わるのは、その技術を使う場所です。
2026年3月期は売上高6,089億95百万円、営業利益601億72百万円。
2027年3月期は売上高6,800億円を会社が予想しています。
さらに2028年度には売上高7,200億円、その先の2031年度には8,000億円を目標としています。
特に今後は、AIデータセンターやESSなど社会インフラ分野への投資が大きくなります。
2026年8月31日には、茨城県に年間2GWh規模の国産定置用蓄電システム工場を開設する計画も発表されました。
100年以上前、島津源蔵が鉛蓄電池を日本で作った時代には、AIも宇宙ステーションも再生可能エネルギーもありませんでした。
それでも、その時代に生まれた「科学を社会の役に立てる」という考え方は、現在の事業にもつながっています。
技術を守るのではなく、技術を使って時代ごとの社会課題を解決する。
そこに、京都企業・GSユアサの「革新と成長」という企業文化があると考えると、この会社の100年以上の歴史が一本につながります。
この記事の要点
- GSユアサは2004年に日本電池とユアサ コーポレーションが経営統合して誕生
- GS側の技術のルーツは1895年
- 二代目島津源蔵が日本で初めて鉛蓄電池を製造
- 「GS」はGenzo Shimadzuのイニシャル
- 企業理念は「革新と成長」
- GS側のDNAは「科学を実用に」
- YUASA側のDNAは「事業は人である」
- 現在も「開拓精神」を重視
- 鉛蓄電池・リチウムイオン電池の両方が強み
- 宇宙・航空・深海など極限用途でも採用
- 2026年3月期売上高は6,089億95百万円
- 2027年3月期1Qは売上高7.5%増、営業利益39.3%増
- 2027年3月期売上高6,800億円を予想
- AIデータセンター・ESS・防衛が新しい成長分野
- 2028年10月から国産定置用蓄電システムの新工場供給開始予定
- 株式会社GSユアサの平均年間給与は約814万円
次に読むなら
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